一軒家の正月の風景をモチーフに、明治の初めから近年までの一家の歴史を辿る。これだけの長い2時間でまとめたのは大したものだが、多くの登場人物が入れ替わり立ち替わり慌ただしく、深みにかけたところも。
面白く見られたのは役者陣の達者さ。毎年黒豆を持ってくる隣家の女の代々を演じた小椋あずき、一家の兄弟に金をせびりにくる女郎屋の女将のわかぎゑふ、関東大震災を逃れて大阪に嫁いできた女役の水町レイコなどが印象的。
阪神大震災に遭って家を手放す決意をした後、東日本大震災の被災者らしい東北弁の女が越してくるラスト。管理人役の茂山宗彦のおかしみのある演技で恋の始まりを感じさせ、ほのぼのした幕切れだった。
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