2019年1月6日日曜日

0103 壽初春大歌舞伎 夜の部

「金門五三桐」の通し。三代猿之助四十八撰の1つながら、あまり上演されてこなかったのは話があまり面白くないからかも。 冒頭、離島に船が流れ着き、早川高景(弥十郎)が宋蘇卿の書き置き(?)を発見して事の背景を知るのだが、高景が誰で、何のために船に乗っていたのかの説明がないので戸惑う。前半の、久吉の跡目をめぐる、久次(猿弥)と久秋(笑也)の駆け引きも、なじみの薄い登場人物なうえ、関係が複雑でついていくのに骨が折れる。久次の乳母役、大炊之助が宋蘇卿の正体を現し、息子への遺書を白鷹にしたためるところや、白鷹の精(扇雀)が狂ったように踊るところあたりが見どころか。 後半、五右衛門が中心になったくだりでは、テンポアップして楽しさが増した。 愛之助が石川五右衛門と此村大炊之助の二役。五右衛門は「GOEMON」と違って黒髪ではあるものの、役作りとしては大した変わらないのかも。終盤の立ち回りがスピード感があって面白い。葛籠抜けからのスペクタクルな展開で、スカッとした後味だった。

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