2026年2月22日日曜日

2月22日 文楽公演第3部

「勧進帳」 花道を設置し、弁慶の引っ込みが眼目。弁慶は3人出遣いで、玉助の主遣いに玉勢が右、足は前半は玉征、後半は玉路だったか。大きさがあり立派な弁慶だった。 床は錣の弁慶、藤の富樫、小住の義経、聖、薫、織栄、文字栄に藤蔵、清志郎、清馗、清丈、清公、錦吾、藤之亮。 錣は弁慶に似合わないのでは。藤蔵以下の三味線が鮮やか。

2月22日 文楽公演第2部

妙心寺の口を南都・団吾。 奥は織・燕三。 織はいつもの自信に溢れた語り。鮮やかに情景を描く燕三の三味線とのケミストリーを感じたかった。 瓜献上は睦・勝平。 百姓に扮した田島頭が策を労するもちょっと浅はかでは。 夕顔棚は希・団七。 尼ヶ崎の前を呂勢・清治。 清治は力が入りきらないように感じるところもあったが、細かいニュアンスの描出はさすが。 切は若・清介。 「現れ出でたる武智光秀」はまあまあの声量だったので、上村氏の評論が効いたかと思ったが、その後はいつもの低速運転。「こは母人か、しなしたり」を淡々と語るので、感情と表現が食い違って違和感がすごい。床を諦めて人形に集中しようと思うのに、気を削がれること。 人形は玉男の光秀に勘十郎の久吉、和生のさつきが揃って充実。

2月22日 文楽公演 第1部

「絵本太功記」の半通し。 大序は御簾内で薫→織栄→聖→碩、清允→清方→藤之亮→燕二郎のリレー(順番は多分) 人形は頭巾を被っていて、本役とは違う人が遣っていた。 二条城配膳は三輪の光秀、津国の春長、咲寿の蘭丸、亘の中納言・十次郎に清友。 本能寺の口は碩・寛太郎。 蘭丸と腰元しのぶの恋人同士のやり取りがいい節で聞かせた。 奥は芳穂・錦糸。 局注進の口は亘・友之助。 弾き出しのテンポが速かったような。前段までで2分ほど押していたから? 奥は靖・宗助。 まだ 顔を真っ赤にして声を張り上げるのは、聞いていて辛そう。 長左衛門切腹は千歳・富介。 堂々とした語りは切り語りの貫禄。 人形は簑二郎の春長に大物感が足りず、玉男の光秀に位負けして見えた。

2026年2月21日土曜日

2月21日 猿若祭二月大歌舞伎 夜の部

「一谷嫩軍記」

あまり上演されない陣門・組討は初めて。
勘太郎の小次郎・敦盛は声変わりもあってセリフに難ありだが、凛とした立姿は無冠の太夫の気品があった。勘九郎の熊谷は太い役が似合う。敦盛の身代わりとなった小次郎と一騎討ちとなってからが長く、我が子を手にかける父親の苦悩を存分に体現した。 遠見の熊谷と敦盛に種太郎と秀乃助。ちっちゃい子が頑張っている様子が微笑ましい。 玉織姫に新悟。勘太郎の敦盛の許嫁には大きすぎな気もする。平山に切り捨てられ、そのまま死んだと思っていたら、最後に瀕死の状態で現れて、敦盛の偽首と対面するのにびっくり。

「雨乞狐」

休演の鶴松に代わり、勘九郎と七之助が踊り分け。踊り上手の2人で見られて存外の眼福。のっけから飛び回る女狐・七之助は普段にない弾けぶりだが、素早い動きはあまり得意ではない? 最後、セリから飛び上がって現れた勘九郎の狐の躍動感たるや。MJのポップアップみたい、というか、高さはもっとあったかも。

「梅ごよみ」

七之助と時蔵の芸者2人の鞘当てが絶品。七之助の仇吉は文句なく美しく、時蔵の米八は深川芸者の粋と意地が鮮やか。仇吉の方が美人という設定なのだが、ちゃんと美人じゃない感じがするのがさすが(色より芸を売ってる感じがする)。吉弥の政次が意地悪そうでよき。莟玉のお蝶は善良なお嬢さんだが案外強かそう。3人の女に思いを寄せられる丹次郎に隼人。女の諍いを適当にやり過ごす優男がよく似合う。すったもんだのあげく、丹次郎は許嫁の元へ。芸者2人が「しらけるねぇ」と終わるのも、のんだかスカッとして、後味のよい芝居だった。

2月21日 猿若祭二月大歌舞伎 昼の部


「お江戸土産」

結城からの行商人、お辻とおゆうを鴈治郎と芝翫。コメディなのだが、鴈治郎の田舎女が滑稽というより痛々しい。人のいい田舎女という設定なのだが、くどくどしく、最後、役者の手を握っただけで13両でもいいと笑うところはもっとカラリとしてくれないと笑えない。芝翫は気のいいおばちゃんという感じ。
役者の栄紫を巳之助。女方だから、整った綺麗どころという設定はなんかムズムズする。栄紫と恋仲のお紺は種之助。遠目もあって最後まで誰かわからんかった。 お紺の養母文字辰を孝太郎。意地悪な年増がよく似合う。

「鳶奴」

松緑らしい舞踊だが、花道のくだりが長く、3階席からだとよく見えない。カツオを鳶に攫われて、追いかけるだけといえばそれだけなので、ちょっと退屈。

「弥栄芝居賑」

中村屋兄弟が猿若座の座本夫婦、芝翫と福助が猿若町の名主夫婦、男伊達に歌昇、萬太郎、橋之助、虎之助、歌之助、女伊達に新悟、種之助、男寅、莟玉、玉太郎、京の呉服商に仁左衛門、孝太郎と格別豪華な配役が、今月休演の鶴松のために集められたのかと思うとつくづくがっかり。
仁左衛門が「私の目の黒いうちに19代目勘三郎の襲名を」とエール。観客も一緒に手締めで賑々しく。

「積恋雪関扉」

勘九郎の関兵衛、七之助の小町姫・墨染、⑧菊五郎の宗忠と、この上ない好配役なのに、途中で意識が途切れた…。後半のぶっかえってからはテンポもよく、集中して観られた。

2026年2月15日日曜日

2月15日 上村吉太朗 素踊りの會

「越後獅子」 きっぱりした動きが清々しい。 通常より長い晒を使っているそうで、何度か晒が絡まりそうになるところもあったが、うまくリカバーしていた。 「鷺娘」 素踊りで拵えがない分、恋の苦しみを眼差しで語る感じ。藤間勘十郎振付らしい振付、ポーズがところどころに見られ、宗家の影を感じる踊りだった。 杉江能楽堂というミニマルな空間で、間近にいい踊りを観られて満足度高し。 踊りの前のトークで、昨年の印象深い役として「車引」の桜丸を、江戸、上方の両方演じられたことと言っていた。いつか通しで勤めたいと。 曽根崎のお初はやってみたい役と。(3月に右近がダブルキャストで演じ、成駒家だけのものでなくなったので) 立女方を目指しているというのは意外だった。立役もしっかりできているので。壱太郎の次の、上方の女方を目指すそうだが、相手役はどうするの?

2026年2月14日土曜日

2月14日 blank First Collection

「Classic in b」
白やゴールドのクラシックチュチュにビジューのついた衣装というバレエの王道のような出立ちで、動きもクラシックなのだが、テンポがやたら速いのはちょっと違和感。王子や姫はゆったり動かないと、優雅さがなくなってしまう。これで衣装がミリオンのようなシンプルなものだったらしっくりくるのかも。

「Scribble」
おもちゃのようなコミカルな動きが楽しい。曲は何かのピアノソナタ(タイトルが出てこない…)
男性3人に女性1人、長袖の白シャツに黒い細身のパンツというシンプルな衣装。長椅子を使った動きも面白い。

「ダイイングスワン」
単調な音楽、リズムは原始の表現か。類人猿のように背中を丸めて行き来する男女が次第に惹かれあうようになって、なぜかフニクリフニクラで最高潮?に。最後は「瀕死の白鳥」の音楽で、首飾りや腕輪を贈られた女性ダンサーが得意げに踊るも、周りは離れていって最後は1人取り残される。ダンスの誕生から発展、退化していくという物語を込めたそうだが、うーん…。

「frustration」 男性5人の踊り。センターの八幡顕光のみ上半身裸で肌色のパンツ、後の4人は体操選手のような衣装で赤、黄(橙?)、青、紫の4色。
「Pas de deux in b」 秋山瑛と奥村康祐のグランパドドゥはこの日一番の眼目。2人のシルエットが浮かび上がる幕開きからうっとりする美しさ。ブルーの衣装が清廉な感じで、可憐な秋山とノーブルな奥村のコンビは難しい技もさらりとこなす。アイコンタクトもしっかりしてて、醸し出す幸せ感が素晴らしい。距離感が測りきれなかったのか、ジャンプしてリフトする時にぶつかったような音がしたり、手を取る時に近すぎてあれ?という顔をしたらもあったが。奥村は男性バリエーションの最後、下手にはける直前で滑ったようでぐらりとしたが、踏みとどまった。 「Pas de deux in b」 秋山瑛と奥村康祐のグランパドドゥはこの日一番の眼目。2人のシルエットが浮かび上がる幕開きからうっとりする美しさ。ブルーの衣装が清廉な感じで、可憐な秋山とノーブルな奥村のコンビは難しい技もさらりとこなす。アイコンタクトもしっかりしてて、醸し出す幸せ感が素晴らしい。距離感が測りきれなかったのか、ジャンプしてリフトする時にぶつかったような音がしたり、手を取る時に近すぎてあれ?という顔をしたらもあったが。奥村は男性バリエーションの最後、下手にはける直前で滑ったようでぐらりとしたが、踏みとどまった。 秋山瑛と奥村康祐のグランパドドゥはこの日一番の眼目。2人のシルエットが浮かび上がる幕開きからうっとりする美しさ。ブルーの衣装が清廉な感じで、可憐な秋山とノーブルな奥村のコンビは難しい技もさらりとこなす。アイコンタクトもしっかりしてて、醸し出す幸せ感が素晴らしい。距離感が測りきれなかったのか、ジャンプしてリフトする時にぶつかったような音がしたり、手を取る時に近すぎてあれ?という顔をしたらもあったが。奥村は男性バリエーションの最後、下手にはける直前で滑ったようでぐらりとしたが、踏みとどまった。 「Not Chained」 舞台中央に大きな鎖のオブジェが象徴的。黒くシンプルな衣装の男女12人が鎖のように連なったり、輪になったり。 振付ユニットの初公演ということで、意欲的な試みと思うし、ダンサーのレベルも高かったが、あまり個性が感じられなかったかも。