2026年6月21日日曜日

6月21日 文楽若手会

「御所桜堀川夜討」 弁慶上使の段の中を薫・清允。 出だしからあまりに調子はずれ。花の井や信夫など女性の声は悪くない。 奥は靖・友之助。 筒いっぱいの語りを、気迫のこもった三味線が盛り上げ、相乗効果で聞き応えがあった。弁慶の述懐では拍手も起こった。 人形は簑悠の信夫、玉誉のおわさのやりとりが、いかにいも仲の良い母娘という風情。 和登の卿の君、玉延の花の井、玉翔の弁慶、勘介の侍従太郎。 「摂州合邦辻」 合邦庵室の中を聖・清方。 素直な語り、三味線。 前を咲寿・錦吾。 織太夫仕込みらしい、重々しさを出そうとしているのは感じられるが、咲寿の芸風には合わないのでは。三味線もフォローしきれない違和感があった。 後は小住・清公。 盆が回って世界観が変わった。清公の三味線は少し軽いか。 人形は玉彦の合邦、紋吉の女房、簑太郎の玉手、玉征の入平、勘昇の浅香姫、和馬の俊徳丸。 「義経千本桜」 道行初音旅を碩の静、亘の忠信、織栄、希がツレ、三味線は燕二郎、清方、藤之亮、寛太郎。 シンが碩と燕二郎という、若々しくフレッシュな道行。 人形は勘次郎の静、玉路の忠信。 玉路は冒頭の狐がややぎこちないが、早替わりも鮮やかに。勘次郎は登場時の舞は滑らかでよき。右手で扇を1回転させるところでもたついたり、遠くに投げすぎたりと扇の扱いには苦戦していた。

2026年6月14日日曜日

6月14日 文楽鑑賞教室 Dプロ

大人のための文楽入門だったため、団子売りはなし。 解説は小住、清公、玉彦。 弁慶上使の一節を使って、弁慶、若い女性、婆などを語り分け、客席から拍手も。清公は晴れた日、嵐などの情景描写は、客席はもうひとつピンと来ていなかったかも。玉彦は緊張のためか、説明が不足しがち。 「双蝶々曲輪日記」 中は小住・清馗。 濡髪の相撲取りらしさ、母の純朴さがよき。三味線は少し気が抜けたよう。 奥は芳穂・宗助。 今公演イチかも。語りと三味線が的確にはまっている感じがした。 人形は簑紫郎の濡髪、玉助の十次兵衛。

2026年6月13日土曜日

6月13日 文楽鑑賞教室 Cプロ

「団子売」 睦のお臼、南都の杵造は逆でもいいのでは? ツレに咲寿、碩、聖、三味線は清丈、錦吾、燕二郎、清方。 人形は玉彦の杵造、簑悠のお臼。お臼はしなやかな動きが踊り上手な感じ。玉彦も悪くないが、ちょいちょいお臼の方を見ていたのはなんでだろう。 「引窓」 中は靖・友之助。 人物の語り分けはできていたし、悪くない。水気が多いのがちと見苦しいが。友之助は気合いのこもった演奏。 奥は織・勝平。 時代もののような重々しい語りで、ちょっと大仰に感じるところもあり。障子ピッシャリとか、勢いのあるところも少し重い。フシと詞に一体感がないというか、ブツ切れな感じがした。終盤の盛り上がりで張り上げるように歌い上げるのもいただけない。勝平の三味線との相性もよくないかも。 人形は玉佳の十次平衛の首が左に傾いて見えたのが気になった。玉勢の濡髪はどっしりとした大きさがあった。

2026年6月11日木曜日

6月11日 文楽鑑賞教室 Aプロ

団子売り、解説はパスして「引窓」のみ鑑賞。 中は睦・清丈。 睦は婆の語りに情があり、濡髪は力強く立派。おはやの声が掠れて水奴か何かみたいなのが惜しい。 清丈は淡々と。 奥は藤・清志郎。 なんか、間のびしした感じで、緊迫感がない。気迫漲る清志郎ともいまいち噛み合ってない感じがした。 人形は一輔の十郎平衛が姿勢よく、キリッとしてよき。姿絵を取り出すところで、左遣いが袖をバタバタして、奥にしまった紙を手元に引き寄せるような仕草をして芸が細かいと思った。

2026年6月8日月曜日

6月8日 文楽鑑賞教室 Bプロ

「団子売」 靖のお臼、咲寿の杵造、碩、聖、三味線は団吾、友之助、錦吾、燕二郎、清方。 揃っていなくてガチャガチャして聞こえた。 人形は勘介の杵造、玉延のお臼。 玉延は生き生きとしてよき。 解説は玉路。 淡々とした話ぶりはそこはかとなくおかしいが、長尺だとちょっと退屈かも。 人形の扱いも、口針から着物の袖を外すところが今ひとつ。 「引窓」 呂勢・藤蔵の奥が面白く、目が覚めた。テンポのいい語りと、畳み掛ける三味線の相乗効果で、感情の波が押し寄せるよう。濡髪の大きさ、母の素朴な情、十次兵衛の実直さなど、語り分けが的確で、物語がすんなり入ってきた。 中は希・寛太郎。 寛太郎の弾き出しは気合いが感じられて、期待が高まったが、希の語りはいまひとつ。顔が痩せたようだけど、調子悪いのか。 人形は十次兵衛の玉志が颯爽と。濡髪の玉翔は階段を駆け降りるところの勢いが良かった。 長五郎母の勘市、おはやの紋臣。

2026年6月7日日曜日

6月7日 六月大歌舞伎 夜の部 Bプロ

「盟三五大切」 松也の源五平衛、勘九郎の三五郎。役者の違いだけでなく、演出の違いも多く、別の芝居だった。 五人斬りの場面は、首を落とされたり、衝立を掴んだ手を切り落とされたりと、歌舞伎らしい演出。いかにも造物らしい生首や腕はグロテクスだけど、ちょっとコミカルでほっとする。2階から突き落とされたのもびっくりした。血飛沫はなく、本水もなく、雨音のなか破れ傘をさして花道を去る源五平衛は胸に抱いた小万の首を愛おしそうに見つめ、頬を寄せるのも美しい。 演出の違いは飯を小万に食べさせようとして、首の目と口が開くとびっくりして茶碗と箸を取り落とす(勘九郎は冷静)、小判の堤を開いて刻印を確かめたのちは後ろへ放る(勘九郎は封印切のようにバラバラとこぼす)など。身代わりで捕縛される八右衛門に手拭いを被せてやるタイミングも違ったか。(松也は家の中で、勘九郎は表に出たのを引き止めて)大筋はもちろん同じ話なのだが、AプロとBプロでセリフや立ち回りの流れなどが結構違っていて、日替わりで演じるのは役替りの2人より、周りの役者たちが大変そう。 勘九郎の三五郎は、小舟に乗って小万といちゃつくところがR18だった。際どいセリフではだけた浴衣を直すのがなんとも言えない。江戸時代の観客のドキドキもこんな感じだったのかと思ったり。 全体的に殺しも含めて美を感じられたのは松也で、勘九郎は恐ろしさが優った。

6月7日 六月大歌舞伎 昼の部

「金閣寺」 時蔵の雪姫が素晴らしい。役作りが的確で、三姫ではあるが、楚々とした風情の中に人妻らしい落ち着きがある。何より、義太夫に乗っての所作、決まり決まりの姿が美しい。花道の引っ込みで刀を抜いて髪を直すところに、女らしい恥じらいも。 松永大膳の獅童、鬼藤太の種之助、此下藤吉の隼人、軍平の歌昇もそれぞれ適材適所な配役。慶寿院の錦之助は珍しい。 「戻駕色相肩」 萬寿の久吉、萬太郎の五右衛門、梅枝の禿。 祖父と叔父の共演をえて、梅枝が可愛らしいこと。 「子連れ狼」 冒頭のナレーションから、30人くらい切ったのではという大立ち回りなど、テレビドラマの舞台化といった感じ。暗転の舞台転換の時に流していたのは主題歌だろうか。子どもの声で「父ちゃんの仕事は刺客」という歌詞はなかなかインパクトああり。 拝一刀の獅童は、テレビのキャラクターそのもの。小柄な夏幹が大五郎をできるのも今のうちだろう。 堅物の勘九郎は典型的なゲスな敵役を好演。妾?の米吉も悪い女がいい。拝に敵討を依頼する七之助も哀れな女が良かった。 拝の仇、柳生一族に松也。一頻り敵討が終わったところで再登場するのだが、一瞬なんで?と思ってしまった。子連れ狼の主題ではあるのだろうが、1話限りの上演では蛇足では。