「ラ・シルフィード」
シルフィードの荻野あゆ子は端正な踊りだが、あまり妖精ぽくないなぁと思っていたら、奥村康祐のジェームズが絡むと途端に軽やかでこの世ならざるものに見えた。追いかけたり、手を伸ばしても触れられなかったり、という動きが加わるとこんなに変わるのかとびっくり。奥村ジェームズは、細かな脚使いの多い振付だったが、足先まで神経が行き届いて美しかった。エフィは吉村茜、グルーンは吉田旭。マッジの法村圭緒は猫背になっているものの、身のこなしが男性で??となった。
「卒業舞踏会」
怪我で降板した佐々木大に代わって山本隆之が女学院長でお得な気分。スカートの膨らんだドレス捌きも美しく、年配女性がとてもチャーミング。老将軍の山本庸督との絡みはちょっとセクシーだったり。
即興第1ソロの佐々木夢奈はファニーな雰囲気が役にピッタリ。第2ソロの水本千晶はノーブルな踊り。フェッテ競争の東川実奈美、吉田裕香は後半少し崩れたが、あれだけ回れば仕方ないかも。トリプルを入れたり、手の振りを入れたりしていたのは吉田かな。
2026年1月31日土曜日
1月31日 第三回素浄瑠璃の会
「合邦住家の段」を芳穂・錦糸。
メリハリのある語りで、約80分の熱演。三味線がたっぷりと間を持たせて、「おいやい」の息遣いも緊迫感があってよかった。後半の三味線の手が多いところは、少し音が乱れるところもあったかも。
2026年1月29日木曜日
1月29日 第三十三期文楽研修終了発表会 第三十四期文楽研修発表会
「二人三番叟」
研修生の定番なのは、足遣いが活躍するからか。研修生は33期の鶴野森大と34期の遠藤匡。2人とも、足踏みのテンポがよく、鶴野の方が動きがきっぱりしているか。 むしろ三味線の足取りが乱れ気味なのが気になった。シンの錦吾が舞台をチラチラ見ていたのは、人形(足遣い)がついてこられるか確かめていたのか。2番手以下の三味線が走りそうになったが、踏みとどまった。 太夫は小住、碩に県秋雨生の岡本凱、梅江亮介、三味線は錦吾、燕二郎、清方、藤之亮。 「寺入り」は研修生の梅江が清公と。 ハキハキとした発声で、キャラクターがはっきりして聞きやすいと思ったのだが…(後日、錦糸に聞くと、話にならないと。義太夫節の基本が身についていないのだそう) 「熊谷桜」は研修生の岡田が清丈と。 語りにメリハリがなく、長時間聞くのは辛かった。 「丗三間堂棟由来」平太郎住家から木遣り音頭。 床は碩・燕二郎の中、亘・友之助の奥。 人形は研修生の鶴野が進ノ蔵人の主遣い、遠藤がみどり丸の足遣い。 進ノ蔵人は派手な動きはなく、歩いたり座ったりという程度だが、少しぎこちなく見える。一方のみどり丸は舞踊っぽい振りがあるので、足遣いもなかなか難しそう。
研修生の定番なのは、足遣いが活躍するからか。研修生は33期の鶴野森大と34期の遠藤匡。2人とも、足踏みのテンポがよく、鶴野の方が動きがきっぱりしているか。 むしろ三味線の足取りが乱れ気味なのが気になった。シンの錦吾が舞台をチラチラ見ていたのは、人形(足遣い)がついてこられるか確かめていたのか。2番手以下の三味線が走りそうになったが、踏みとどまった。 太夫は小住、碩に県秋雨生の岡本凱、梅江亮介、三味線は錦吾、燕二郎、清方、藤之亮。 「寺入り」は研修生の梅江が清公と。 ハキハキとした発声で、キャラクターがはっきりして聞きやすいと思ったのだが…(後日、錦糸に聞くと、話にならないと。義太夫節の基本が身についていないのだそう) 「熊谷桜」は研修生の岡田が清丈と。 語りにメリハリがなく、長時間聞くのは辛かった。 「丗三間堂棟由来」平太郎住家から木遣り音頭。 床は碩・燕二郎の中、亘・友之助の奥。 人形は研修生の鶴野が進ノ蔵人の主遣い、遠藤がみどり丸の足遣い。 進ノ蔵人は派手な動きはなく、歩いたり座ったりという程度だが、少しぎこちなく見える。一方のみどり丸は舞踊っぽい振りがあるので、足遣いもなかなか難しそう。
2026年1月28日水曜日
1月28日 坊ん倶楽 vol.20
雪鹿「寄合酒」
雪鹿は初めて聞いたが、鯛を捌く仕草などちゃんとしてる。マクラで披露したケータイのバイブ音が上手かった。机の上とポケットの中の違いまで。
吉坊「初天神」
寅ちゃんがだいぶおませさんで、父母の夜の営みに耳をそばだて、向かいのおっちゃんに話そうとしたり。お父ちゃんは飴をねぶり、みたらしをねぶり。お父ちゃんの羽織がお母ちゃんが褒美に貰ったのを男仕立てにしたというのは初めて聞いた。
対談は大槻文蔵と。好きな落語は「算段の平兵衛」「はてなの茶碗」と「蔵丁稚」(だったか?)。新作に取り組むのは舞台は作らないといけない、模倣ではだめだから。復曲を選ぶときは普遍的かどうかがテーマ。鬼滅の刃は炭治郎が妹を助けたいという思い。親子や戦争など。演者の熱気と観客によって活気が作られる。松竹座がなくなってしまうが、劇場がなければどうしようもない。芝居の根本は真ん中に役者が居て、周りに客がいる。繁昌亭の舞台は能舞台に比べて奥行きがないので、一番動きの少ない「景清」にした。
「景清」の仕舞。トークで言っていたように終始目を瞑ったまま。戦の模様が浮かぶのはさすが。最後に後ろに下がるところで軽く壁にぶつかってヒヤリ。
「へっつい幽霊」
ネタおろし。テンポよく、楽しかった。
雪鹿は初めて聞いたが、鯛を捌く仕草などちゃんとしてる。マクラで披露したケータイのバイブ音が上手かった。机の上とポケットの中の違いまで。
吉坊「初天神」
寅ちゃんがだいぶおませさんで、父母の夜の営みに耳をそばだて、向かいのおっちゃんに話そうとしたり。お父ちゃんは飴をねぶり、みたらしをねぶり。お父ちゃんの羽織がお母ちゃんが褒美に貰ったのを男仕立てにしたというのは初めて聞いた。
対談は大槻文蔵と。好きな落語は「算段の平兵衛」「はてなの茶碗」と「蔵丁稚」(だったか?)。新作に取り組むのは舞台は作らないといけない、模倣ではだめだから。復曲を選ぶときは普遍的かどうかがテーマ。鬼滅の刃は炭治郎が妹を助けたいという思い。親子や戦争など。演者の熱気と観客によって活気が作られる。松竹座がなくなってしまうが、劇場がなければどうしようもない。芝居の根本は真ん中に役者が居て、周りに客がいる。繁昌亭の舞台は能舞台に比べて奥行きがないので、一番動きの少ない「景清」にした。
「景清」の仕舞。トークで言っていたように終始目を瞑ったまま。戦の模様が浮かぶのはさすが。最後に後ろに下がるところで軽く壁にぶつかってヒヤリ。
「へっつい幽霊」
ネタおろし。テンポよく、楽しかった。
2026年1月23日金曜日
1月23日 寿初春大歌舞伎 夜の部
「女鳴神」
鳴神の男女を逆転したパロディなのだが、色仕掛けに騙されるのが女になると全く笑えない。尼僧とはいえ元々弱い立場の女を騙すという構造がダメなのだと思う。孝太郎の鳴神尼に鴈治郎の雲絶間之助という配役も、構造的な欠陥を補うにはとても足りなく、後味が悪い。
「仮名手本忠臣蔵 七段目」
愛之助の由良之助は口跡の良さが大名家の家老らしい風格。2回目で慣れてきたのか緊張感が薄くなったのはマイナス。壱太郎のお軽は浅薄な感じがとても役らしい。上方の演出で衣装や団扇わ使わないなどの違い。種之助の平右衛門は素朴な人の良さが感じられ、元は百姓という役には合っているものの、元来の弟属性のため壱太郎と並ぶと兄妹に見えないきらいがある。中車の九太夫は悪人が上手い。歌之助の力弥はちょっと大人すぎかも。
三人侍は松十郎、蝶三郎、愛三郎。仲居に千寿、竹之助、折之助、りき弥ら。
「京鹿子娘道成寺」
壱太郎の花子は吊り目気味のアイラインで、はじめからキリリと強そう。おっとりとした娘と思わせて実は、という演出が多いと思うのだが、性根をより濃く滲ませる狙いかもしれないが、その分、終盤とのギャップが弱くなったようにも感じた。押し戻しが付き、鐘に入って鬼の形相に。所化に吉太朗、歌之助ら。
鳴神の男女を逆転したパロディなのだが、色仕掛けに騙されるのが女になると全く笑えない。尼僧とはいえ元々弱い立場の女を騙すという構造がダメなのだと思う。孝太郎の鳴神尼に鴈治郎の雲絶間之助という配役も、構造的な欠陥を補うにはとても足りなく、後味が悪い。
「仮名手本忠臣蔵 七段目」
愛之助の由良之助は口跡の良さが大名家の家老らしい風格。2回目で慣れてきたのか緊張感が薄くなったのはマイナス。壱太郎のお軽は浅薄な感じがとても役らしい。上方の演出で衣装や団扇わ使わないなどの違い。種之助の平右衛門は素朴な人の良さが感じられ、元は百姓という役には合っているものの、元来の弟属性のため壱太郎と並ぶと兄妹に見えないきらいがある。中車の九太夫は悪人が上手い。歌之助の力弥はちょっと大人すぎかも。
三人侍は松十郎、蝶三郎、愛三郎。仲居に千寿、竹之助、折之助、りき弥ら。
「京鹿子娘道成寺」
壱太郎の花子は吊り目気味のアイラインで、はじめからキリリと強そう。おっとりとした娘と思わせて実は、という演出が多いと思うのだが、性根をより濃く滲ませる狙いかもしれないが、その分、終盤とのギャップが弱くなったようにも感じた。押し戻しが付き、鐘に入って鬼の形相に。所化に吉太朗、歌之助ら。
2026年1月22日木曜日
1月22日 寿初春歌舞伎特別公演 昼の部
「車引」
吉太朗の桜丸がよき。深編笠をかぶったまま、これまでの境遇を吐露するセリフに心がこもっていて思わずほろりとさせられた。様式美の強い演目なので、このように心が揺さぶられたのは初めて。歌之助の梅王は若さ漲る感じで少し子どもっぽい感じも。桜丸の方がお兄さんに見えた。種之助の松王は別人に見えた。時平は猿弥で、怪しい力を発揮しそう。3階席だったので、登場時に袴の裾を整えようと足をバタバタさせていたのが見えてしまった。ここは堂々と出て欲しい。
金棒引に當吉郎、杉王に翫政と上方の役者がいい役を勤めているのも嬉しい。
「金閣寺」
壱太郎の時姫は品がありセリフの癖もいつもより抑えられていた感じでよかった。鴈治郎の大膳は恰幅のよい悪人。愛之助の東吉はシュッとした二枚目。吉弥の直信が憂いのある様子で、雪姫と視線で気持ちを交わす。
千次郎の鬼藤太。
「らくだ」
また!?と思ったが、上演を重ねて間合いがよくなったのか、前よりも面白かった。愛之助演じる熊五郎の乱暴ぶりと気の弱そうな中車の久六の掛け合いがテンポよく、小気味いい。鴈治郎の家主、猿弥の女房は似たもの夫婦で仲がよさそう。亀鶴のらくだは緑色?でキスされた猿弥の顔にもドーランが移っていた。
2026年1月18日日曜日
1月18日 2025年度全国共同制作オペラ「愛の妙薬」
カワイイがテーマという杉原邦生演出の舞台はポップでキュート。まず目につくのは大きなピンクのハートのオブジェ。裏は黒く、表になったり裏になったり主人公の心の動きを表す。主人公のネモリーノは同じピンク、ライバルのベルコーレは黒の衣装でハートの表裏と対応する。デニムや青を基調としたカジュアルな衣装のコーラスの中にあって、主要登場人物の明るい色彩の衣装が際立つ。アディーナは黄色地のチェックのパンツスーツで明るく快活なイメージ。ジャンネッタはオレンジ、ドゥルカマーラ博士は紫で怪しい雰囲気。主人公の心情をバックアップするダンサーはピンクのキッチュな衣装で、振付もカワイイ。
ネモリーノ役の糸賀修平は小柄なこともあって、ぬいぐるみみたいなかわいさがあり、応援したくなる主人公。物語としてはどうってことないのに、2幕で2人の心が通じ合うところでは、歌唱の素晴らしさもあってほろりとした。アディーレ役の高野百合絵の方が長身なこともあって、姉さん女房的な感じのギャップも。アディーレがネモリーノをバックハグするハッピーエンドは、身長差がまたカワイイ。この後オケがなかなか始まらず、舞台上の2人が戸惑うのは大千秋楽だからかな。
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