「私は海をだきしめていたい」 坂口安吾の小説がモチーフ。サティの曲なのか、開演前から客席には静かなピアノが流れ、全身黒の衣装にシルクハット、傘をさした金森が下手側な客席後方から歩いてくる。舞台に上がると同じ出立ちの男性ダンサー、舞台の上手奥に真っ赤なドレスを纏った井関の後ろ姿…と、シックでスタイリッシュな雰囲気。金森・井関を含め、5人ずつの男女がすれ違ったり、絡んだり、様々に交わる。女性の衣装は裾を引き摺るくらいのロングドレスで、前に大きくスリットが入っていて、時に挑発的に大きく広げたり、腰に巻きつけたり、男性ダンサーを包み込んだり、多様な表情を見せる。 終盤、井関と金森のパドドゥが 2回繰り返され、循環を感じた。アクロバティックなリフトも多く、金森の桃の付け根あたりに両手を置いた井関の腕を金森が掴んでそのまま回転する(井関の足が宙に浮いた状態)など。 「春の祭典」 裾の長い白いシャツに短パンの衣装、背景や小道具の椅子も白っぽくどこか最新病院を思わせる。椅子と共に倒れたダンサーの真ん中で井関が震えている幕開きから、起き上がったダンサーらも何か大きなものが襲ってくるのに怯えるよう。途中、椅子取りゲームのようになり、仲間はずれを排除したり、椅子をバリケードのように積み上げたり。最後は最初のシーンに戻り、永遠に繰り返されそう。
2026年7月25日土曜日
2026年7月24日金曜日
7月24日 「虹のかけら〜もう一人のジュディ」
三谷幸喜作のジュディ・ガーランドの付き人で親友というジュディ・シルバーマンを通してガーランドの反省を描く音楽劇。シルバーマンな「オズの魔法使い」のドロシー役のオーディションでガーランドに敗れ、一方的に親友扱いされ、愛憎入り混じりつつも生涯そばにいたという設定がよくできている。彼女の書いた日記のタイトルが「a piece of rainbow」で、ニューヨークの本屋で戸田が見つけ、三谷に紹介して日本語出版、脚本化したとか(出版社がカドワキショテンとかいうのでおやとは思った)だとか。 何よりエンターテナーとしての戸田が素晴らしい。登場しただけで観客を惹きつける華がある。ガーランドの出演作を追いつつ、代表曲を歌うのだが、曲によって表情を変える歌唱が素晴らしい。 ラストは、三谷のナレーションでジュディ・シルバーマンは架空の人物であることが明かされ、きれいにオチもついた。 還暦記念で作品を作ったことから、どうして4回目を上演することになったか(3回目のニューヨーク公演が大幅な円安で赤字になったため、赤字を回収するため)を話す前フリ(?)から、終演後のパンフレットやグッズの宣伝まで含めて90分ほど。短い時間なのに、倍くらいの充実感があった。
2026年7月23日木曜日
7月23日 落語と文楽の会
2026年7月20日月曜日
7月20日 夏休み文楽特別公演 名作劇場
7月20日 夏休み文楽公演 親子劇場
解説「文楽ってなあに?」は玉彦。淡々と進めるあまりちょっと客が置いてけぼりに感じることも。反応を待つ余裕ができるとよさそう。子ども3人を舞台に上げて人形体験。きれいに遣えてますなどと褒めているのが好印象。立役人形と同じくらいの背丈だったので、子どもの人形を持たせていた。 「雪狐々姿湖」 有吉佐和子脚本の民話風のお話。主人公の白百合をはじめ、老若男女の狐が6匹も出てくるのが楽しく、詞章セリフは文語調がベースだが分かりやすく、セリフを「コン」に掛けるなど、言葉遊びの楽しさもある。白百合が漁師源左に助けられ、恋をする回想シーンは暗転で舞台が秋から春にに変わるなど、現代劇の演出も取り入れられている。 崑山の秋は掛け合いで、三輪の白百合、南都の白蘭尼、咲寿のコン平、薫の右コン、織栄の左コン、津国のコン蔵に清友、清志郎、清馗、清丈、藤之亮。 コン平は白百合の許嫁ということだが、咲寿の語りはわんぱく坊主のようで少し子供っぽいキャラに聞こえた。右コン、左コンの双子はワアワアと騒がしい。白蘭尼、コン蔵に落ち着き。 文楽劇場に6匹もの狐がいたのか驚く。人形遣いは頭巾をかぶっているが、狐の毛の色が違ったり、着物?を着ていたりでキャラクターが見分けられるようになっている。コン平の人形は尻尾をピンと立てたり、回したりするのだが、人形遣いは両手を人形の胴体に入れたままなので、何か仕掛けがあるのだろうか。 漁師源左の家は織・清公。本役の清介が病気休演で急遽の代役だろうに、滅多にかからない新作をよくやっていると感心。織の語りが単調なのか、舞台上の動きが少ないせいか、途中集中力が途切れた。宝珠の力がなくなって狐の姿に戻ってしまうところとか、もっとドラマチックに見せてほしい。 ラスト、冬の湖畔はツレに碩と聖、清允と清方が入る。狐の姿になった白百合が宝珠を手に入れて人の姿に戻るとその重さで湖の氷が割れて溺れ死んでしまうというラスト。一瞬の喜びの後の悲劇が残酷。 人形は清十郎の白百合、玉佳の源左など。