2019年1月13日日曜日

0108 ミュージカル「日本の歴史」

テキサスで牧場を営む一家の歴史と日本の歴史がリンクする構成が意外にもはまっている。何もない荒野に移住してきた一家の草創期と、卑弥呼の時代、平安期の貴族社会、武士の台頭は小作、織田信長の革新と石油の採掘などが重ね合わされ、共通点に気づかされる。 シルビア・グラフが主要な役を多くこなして好演。テキサス一家の肝っ玉母さんの一方、卑弥呼や織田信長、西郷巳之吉まで。何より歌がうまく、存在に説得力がある。宮沢エマも、一家の娘のほか、平清盛から「もとどり」まで幅広く。新納慎也との3人が歌パートを引っ張った感じ。中井貴一が女帝役などで笑いをとる一方、頼朝役で義経の香取慎吾と対峙するところは、シリアスなドラマを見せた。 白い床、壁のシンプルな舞台には奥から轍のような線が引かれ、歴史の道を示すよう。引幕を左右に動かすことでスピーディーに場面転換して飽きさせない。音楽がどれもキャッチ―で、「歴史は因果関係」「人生で大事なことは人生で大事じゃないこと」「今私が悩んでいることは昔誰かが悩んだこと」など、印象的なフレーズが耳に残る。たった7人のキャストに、演奏も4人のアンサンブルとは思えない、広がりのある舞台だった。

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