王道のくるみを期待したのだが、ある意味期待通りであり、ある意味期待はずれだった。色々突っ込みどころがあったのが期待はずれなところで、期待通りだったのはダンサーのテクニックの確かさ。
マーシャ(カッコ書きでクララとある)の川島麻実子は、細っそり楚々とした美人だが、少女らしくはない。くるみ割り人形・王子(柄本弾)のパドドゥは、テクニックは申し分ないのだが、くるみというより、ジゼルを見ているような気分だった。
マーシャの母親が女王陛下のように高貴だったり、役作りであれ?と思うところが散見され、少年たちを女性ダンサーが演じていたのも物足りない。
ドロッセルマイヤーがあちこちから出現したり、空っぽの箱の中から踊る人形を出したりと手品師のよう。黄色のタキシード?も不思議感を高める。
くるみ割人形は早々に王子の姿をあらわすのだが、ネズミの王様に倒されそうになってマーシャのスリッパに助けられる。人形のままなら、人形に変えられていて力が出なかったという言い訳がたつけど…。
人形の国では、ビビットなピンクを基調とした背景に対して花のワルツの衣装が青みがかったペールグレーで色彩がなく、幸福感に欠けたのが惜しい。
くるみらしさ、ファンタジーとか、メルヘン感という点では、貞松浜田バレエ団に軍配を上げたいと思った。
満足度が高かったのは、主役2人の踊り。特に柄本は回転の軸が安定していて、美しい跳躍。リフトで、川島の足の間に片手を入れて真上に掲げるのはええ!?と思ったけど、尾骶骨を支えているのかしら。
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