2019年12月15日日曜日

1214 南船北馬「これからの町」

3年前に行方不明になった妻と暮らしていた部屋をそのままにしている男、妹の荷物を引き取って過去のけじめをつけたい義姉、ほかに彼女のいる男と死に場所を探す若い女、若い女に引き摺られ同居する彼女には家を出られた男、煮え切らない男を見限り再スタートしようとしている女、しょうもない弟に手を焼いている姉。直接関係はなくても、どこかつながっている6人の男女をめぐるやり取りがオムニバスのように連なる。
静かに語られるセリフは自然で、すぐそこにいそうな登場人物たち。だが、今ひとつ入り込めなかった。チャラ男の姉が関係する女たちに予言めいた言葉告げるのが不明だったり、訳知り顔の若い女が不快だったりしたからか。
義姉、史歩役の高橋映美子は憂いを帯びた声がよく、セリフに説得力がある。チャラ男を見限った絢奈役の桂ゆめは凛として美しい。

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