「大社」
十月に八百万の神が集まる出雲が舞台、ワキ(帝の廷臣)の福王知登が供を連れて参詣する。現れた前シテ(豊嶋弥左衛門)は翁の面をかけ、ツレの宮人は直面。ひとくさり舞ったのち、つくりものに籠る。
アイは千五郎。面をかけてもよく通る声。舞も堂々として立派。
後場は、天女、大神(後シテ)、龍神が次々と舞う。龍神は金色の箱を持って現れ、中から小さい龍神が出てくるのがかわいい。
「腰祈」
腰折かと思ったら、祈だった。
千五郎の伯父、忠三郎の山伏、茂の太郎冠者。
千五郎は腰が曲がった老人の歩みが滑稽で、橋掛りをでてくるところから笑いが起こる。「何じゃ!?」の言い方が千作を彷彿とさせる。
「雪」
静かな舞。少しクリームがかった装束に淡いグレーに見える浅葱の袴、雪の小面は時に微笑み、憂いを帯びて見える。雪の静けさを表現するため、足踏みも音をさせないというのに、後見の足が覚束なくて物音をさせていたのが残念。
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