紅白幕を床面に敷いた舞台へ、上手奥からきたまりがゆっくりと歩みを進める。白いワンピースの上に緋色の薄衣をまとい、頭には頭巾。顔の見えないまましばらく頭を傾げたりしていたが、パッと頭巾を払うのが鮮やか。頭巾と思ったものは肩から背中に垂らすデザイン。真ん中分けの前髪で紅白の水引のような髪飾りでまとめた姿は、娘というより稚児のよう。無表情で踊るのは能面のようでも。
鞠つきの代わりにきた自身が鞠のように跳ねたり、静と動、緩急がはっきりしていて、眼が覚めるよう。赤い衣を脱ぎ捨て、下手から上手に駆け抜けるときに赤い布が帯状に舞台を横断したり、鐘入りのようにパッと幕の後ろに飛び込んだり。蛇の狡猾さ、邪念が怖いよう。
パンフレットの木ノ下の解説が親切。
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