総じて、人間らしい「エリザベート」だった。予想していた通り、珠城りょうのトートは健康的すぎ、青い血でなくて真っ赤な血が漲っていそうだし、愛希れいかのエリザベートは死神なんか張り倒しそうな強さだったのだが、やはり曲の良さ、物語の構成の良さで楽しめた。愛希は演技派だけあって、ルドルフの死を嘆くところがいちばんぐっときた。「私が踊る時」の凛とした力強さもよかった。珠城と並ぶとどうしても姉さんのようで、エリザベートに再三振られてがっかりするトートがわんこのよう。衣装のせいか、肩幅のせいか、冒険ファンタジーの主人公(アーサー王のような)にも見えた。月城かなとのルキーニは狂気が薄く、普通に男前だし、組長憧花ゆりのは少々軽く、ゾフィーは貫禄がもう少し欲しい。美弥るりかのフランツは歌声が真風涼帆を思わせた。全体的に歌には難あり。オケもファンファーレで金管が音を外すなど、残念な出来だった。
フィナーレでラテン風にアレンジした楽曲はいかがなものかと思ったが、珠城と愛希のデュエットダンスがたっぷりあったのはいい。リフトの高いこと。他の男役なら腰の高さで済ますところ、胸でリフトしていたのはさすが。
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