2018年11月10日土曜日

1102 吉例顔見世興行 夜の部

「寿曽我対面」
愛之助の曽我五郎はいいなあ。きびきびした動きで荒事らしい豪快さがある。孝太朗の十郎のたおやかさ。秀太郎の舞鶴、吉弥の大磯の虎、壱太郎の化粧坂少将、と見覚えがあるとおもったら数年前の松竹座と同じ配役だった。
工藤の仁左衛門が敵役の貫禄で役者の器の大きさをみせた。

「口上」
襲名する3人に藤十郎、仁左衛門のみというシンプルな構成。その分一人一人がしっかり話できていい。藤十郎は書きつけを読んでいるのに言葉に詰まるところがあってハラハラ。仁左衛門が「白鷗さんについては私からいうことありません」と素っ気ない。新幸四郎は頭を下げながら苦笑してたような。

「勧進帳」
幸四郎の弁慶は気合が漲り、これまでより線が太くなった感じ。といって力みすぎることもなく、懐深く落ち着きのある様子だ。白鷗の冨樫は丁寧な芝居。山伏問答では丁々発止の緊張感はそれほどでもなかったが、過不足ない満足感。染五郎の義経は1月より発声がよくなっていた。弁慶の滝流しは、花道のところに出るやつ?流麗で面白い踊りだが、再び舞台中央に戻って義経らを逃がすのは余計な動きに見えなくもない。

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