2018年1月8日月曜日
1月8日 初春文楽公演 第二部
「良弁杉由来」
通してみて、思っていたほど感動しなかったのは、ストーリーが単純すぎるせいか。歌舞伎で「二月堂の段」だけを観たほうがよかったのは、藤十郎・鴈治郎の親子共演の効果だけではないと思う。人形の動きがあまりないので、素浄瑠璃のほうが感動できる気がする。
志賀の里の段は三輪、小住、亘、碩に団七、友之助、錦吾。
光丸がさらわれる物語の発端なのだが、ドラマが感じられないのはなぜなのか。碩が要所要所で短いけど重要なセリフを任されているのが頼もしい。
桜の宮物狂いの段は津駒、始、芳穂、咲寿に藤蔵、清志郎、寛太郎、清公、清允。
津駒の声が景事とあってないのか、藤蔵の三味線と合っていないのか。重厚な三味線が聞かせどころか。
東大寺の段は靖・錦糸。安定感が増してきたものの、説明的な場面なので、聞かせるという雰囲気ではない。
二月堂の段は千歳・富助。期待値が高すぎたせいか、あまり感動できなかったのが残念。通しで見ているので分かり切った物語を繰り返されるのがくどく感じた。
「傾城恋飛脚 新口村の段」
口の希・団子は御簾内で。希は美声だが、忠三女房にしては上品すぎる感じ。
前は呂勢・寛治。初めての組み合わせだそうだが、予想以上によかった。音が華やかで広がりがあるというか。呂勢はのびのび語っている感じで、窓から覗き見ながら境遇を嘆き合う梅川・忠兵衛が涙を誘う。寛治の三味線もいつもよりしっかりした音色を響かせる。
後は文字久・宗助。文字久の梅川が予想以上によかったものの、前が良かっただけに、あのまま聞きたかった。
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