「初姿先斗賑」
江戸の花街で遊んでいた若旦那が、京の舞妓を見に行こうと太鼓持を連れての道中を踊りでつづる。衝立に富士山や東海道の景色を描いた簡素なセットが、晴の会みたい。國太郎の若旦那は頼りない坊々ぶり。矢之輔の太鼓持は安定感のある面白さ。最後にぼの舞妓が踊って華を添える。
「棒しばり」
忠村臣弥の次郎冠者に玉浦有之祐の太郎冠者は若々しい、フレッシュな感じ。きょうげんふうの台詞回しがちょっと急ぎ気味で、もう少したっぷりした大らかさがほしい。酩酊していくにつれ所作が乱れてくるところで、脚で盃を傾けるのがいただけない。狂言や大歌舞伎では気にならなかったので、振りが違うのか。最後、主人を蹴るようにして2日がグルグルまわりながらの幕切れ。
「唐茄子屋」
國太郎の頼りない若旦那役はハマってだが、こちらも矢之輔のおじさんが上手かった。おばさん役も、つい甥っ子を甘やかしてしまうお節介ぶりが微笑ましく、夫婦漫才のような息の合った掛け合いが笑いを誘う。
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