2018年1月11日木曜日
0109 宝塚花組「ポーの一族」
あの「ポーの一族」をどうやって舞台化するのか。原作のファンではなくとも期待よりも懸念が上回っていたが、観ての感想は、原作の世界観を壊してはいないということ。エドガー役の明日海りおは、さすがに14歳の少年には見えないが、年齢不詳な少年らしさを描出。ビジュアルの美しさは比類なく、普段よりもやや高めのキーで話すのが役にあっていた。アラン役は柚香光。どちらかというと気の強いイメージの人だが、アランの気の強さと繊細さ、はかなさが出ていて大健闘。思えば、エドガーは外見は少年だけど中身は100歳を超えているので大人が演じる利点があるが、アランは本物の少年なわけで、より難しかったのでは。変にBLぽくなかったのも、私としては評価したい。
残念なのは「僕はバンパネラ」とかいうさえない歌とか、古臭い曲調とか。物語の背景説明のため情報量を盛り込んでいるので、肝心のエドガーとアランが共感しあうところの描写が足りない気がした。メリーベルがバンパネラになるくだりのユーシスの自殺とか駆け足すぎて、原作を知らない観客にはさっぱりだったのではないか。
シーラ役の仙名彩世は男爵への愛にあふれる素敵な女性。きれいな高音で歌もよかったが、主人公とのからみは薄いので盛り上がりに欠ける。
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