2018年1月17日水曜日

0117 Plant M「blue film」

震災後久しぶりに故郷の町を訪れ、使われなくなった廃線のある公園に迷い込んだかがり(出口弥生)に駅長が事故で電車が遅れていると告げる。幼馴染の少年団の子どもたちや、駅を訪れた喪服姿の兄弟と姉など、いろいろな人が入れ代わり立ち代わり。現実と空想の世界が交錯する。出口のモノローグから始まったのだが、語頭が弱い発音のせいか不安な気持ちになるのは意図しているのか、癖なのか。ヤヨイ役の大浦千佳が子どもたちのリーダー役を溌剌と演じる。最後、遅れていた電車がやってくるのは、震災で止まっていた時間が動き出すという意味か。深津作品では震災で時間が止まってしまった人たちが良く描かれる。舞台後方の搬入口が開いて、外が見える演出。何も知らない歩行者や自転車が通りすぎるのが不思議な感覚だった。たった1日きりの上演とは贅沢だ。

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