2019年10月18日金曜日

10月18日 御園座 吉例顔見世

「碁太平記白石噺」
雀右衛門の傾城宮城野と孝太郎の信夫の姉妹が好対照で面白い。奥州訛り丸出しの信夫の純朴な可愛らしさ。それでいて、宮城野と姉妹に見えるのが不思議。竹本は葵太夫。義太夫節に乗ってのクドキが見せ場だと思うのだが、やたら大向こうがかかるのがウザかった。

「身替座禅」
仁左衛門の右京のチャーミングなこと!玉の井をまんまと騙して、座禅の了解を取り付け「うふふふふ」とほくそ笑むところや、花子に会いに行く時の「いてくるぞよ」の浮かれた様子、浮気がバレたときのしまったという顔…。ほんわかと幸せになれる舞台だ。玉の井の鴈治郎は、嫉妬に地団駄ふむところが、怪獣じみてなんとも可愛い。太郎冠者は錦之助。千枝の吉太郎、小枝の千太郎の若者コンビが初々しく、可憐。吉太郎は声がよく、踊りも滑らかで、いい女方。千太郎は声変わりのせいかセリフが辛そうだった。

「瞼の母」
秀太郎のおはまが泣かせる。獅童の忠太郎との一対一のやりとりで、心情が変化していく様が繊細に描かれる。忠太郎を帰してから、娘お登勢(壱太郎)に本心を打ち明けるところが胸を打った。
序幕の半次郎一家も、国矢の半次郎、母おむらの吉弥、妹おぬいの千寿が好演。

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