「AT THE HAWKS WELL」
鷹姫と同じ原作ということで興味を持ったが、杉本博司演出は合わないと再認識。
舞台装置は簡素で、中央に能舞台のような正方形の板づくりの床が置かれ、真後ろに橋掛りが伸びている。後方には半円状のスクリーン。後ろで踊るダンサーの影や、水平線から光が差すような映像を映す。音楽はテレビの砂嵐のような、チューニングの合わないラジオのようなノイズ。
ダンサーの衣装はジャングルの戦士のよう。主役級の男性はオムツのようなパンツに嵩のあるマントで、色はシルバーとシャンパンゴールド。マントを翻したり、影に隠れたりする。女性はメタリックな赤で、スリットの入ったレオタードに翼のような大きなものを肩にまとう。幾何学的な動き。アバンギャルドな、インスタレーションを見せられているよう。
ラストに能楽師が老人姿の現れ、一節の謡と舞。最後に杖をゴールドに投げ与えて終わり。能楽師の登場で場が一変し、格調高く、全ての辻褄が合わせられたよう。何より、能のスタイルを変えずにそこにあることの力強さを感じた。
「BLAKE WORKSI」
英語のポップ音楽に乗せての踊り。オペラ座のダンサーの身体能力の高さを見せつける一方、稽古着のような簡素な衣装では学生の発表会のよう。オペラ座の豪奢な空閑で見たいのはコレジャナイ感が残った。
0 件のコメント:
コメントを投稿