2019年3月12日火曜日

0311 唐版 風の又三郎

詩的なセリフ、登場人物が入り乱れる混とんとした展開は唐十郎らしいのだが、アングラらしい淫靡な雰囲気が乏しく、とても健康的だったのは、エリカ役の柚希礼音のキャラクターゆえか。赤いスリップ姿になっても、女っぽくならず、中性的というか、色気を感じなかった。又三郎を名乗るところは元男役を生かしたのかもしれないが、背が高いせいもあって少年ぽくはない。
織部役の窪田正孝は飄々とした雰囲気がよく、エリカにひかれて別世界に迷い込んでしまったよう。唐の世界観に合っていた。ラストの飛行機に乗り込むところで足を引きずり、柚希が助けていたのは演出かと思っていたら、どうやらケガをしたらしい。カーテンコールでは柚希に肩を借り、片足飛びで登場していたので、結構重症なのかと心配。
2幕の航空学校のシーンで高田(丸山智己)に特別な感情を抱く少年役が目を惹くなあと思ったら、大鶴美仁音だった。3幕の花嫁姿でも存在感があった。
教授役の風間杜夫、三腐人の石井愃一、金守珍、六平直政というシニア組は紙おむつを履いたり、尻に菊の御紋をつけたりと振り切った演技でよくやるよと思った。北村有起哉の夜の男、山崎銀之丞の風の商人はちょっともったいない感じ。江口のりこの桃子も。

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