2019年3月12日火曜日

0307 ヘンリー五世

前作のヘンリー四世の映像から、王となったヘンリー(=松坂桃李)一行が、かつての仲間フォルスタッフ(吉田鋼太郎)らが出会い、ヘンリーの変貌振りを見せつけるところはよかった。フォルスタッフの衣装から早変わりで進行役となった吉田が舞台をすすめていくのだが、「皆様の想像力で補って」と繰り返すのはいかがなものか。舞台の上で場所が変わったり、少人数で大軍を表したりというのは、演劇の約束事や前提で、誰も舞台が現実そのままだなんて思っていない。改めて言及しなければならないくらい、まずいできなのかと演出力に疑問符がついた。
目まぐるしく場面が変わる割に、言葉で説明するところが多くて、退屈に感じるところも。移動が多いとはいえ、客席降りを多用するのも安易。心配事があったこともあり、芝居に入り込めなかった。ネギとか変な笑いを狙うのもなんだかなぁ。
松坂はセリフが薄っぺらく、身体表現も洗練されておらず、舞台俳優としての魅力に乏しかった。フランス皇太子役の溝端淳平は発声がよく、よほど目を惹かれた。フランス王の横田栄司も存在感が際立った。

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