大阪城公園に新設されたクールジャパンパークオーサカのオープニング企画で、講談の旭堂南龍を進行役に、能、文楽、筑前琵琶、落語が出演。この日は「船弁慶」をテーマにそれぞれの芸能が競演する趣向。
劇場の真ん中に能舞台をしつらえ、四つ角には短い柱を立てた構造。三方を客席が囲み、舞台の後ろには桜が活けてある華やかさ。ただ、椅子は会議室にあるようなもので、座り心地はよくない。
半能「船弁慶」は山本章弘のシテに福王知登のワキ。子方が脇柱のあたりで座る場面で、後見(父親?)の人が手首をつかんで何か小声で注意していたのでびっくりした。普段の能舞台よりも客席との距離が近く、しかも普段は壁で隔たれる地謡座のあたりも客席になっているので、細かい仕草も丸見え…。天井が抜けているせいか、声の響きがよくなかったように感じた。地謡が舞台の後方にいたせいかも。
文楽は「義経千本桜」の「渡海屋」の一部。呂勢・宗助の床に玉男の知盛。舞台を大きく使っての人形はダイナミック。こういう人形で足遣いの動きが良く見えるのは興味深かった。足をさっと出して力強く足踏みするところとか。
筑前琵琶「船弁慶」は奥村旭翠。派手さはないが、深みのある声がよく通る。船弁慶という曲の特徴か、同じような節が繰り返され、あまり起伏がなかったように感じた。
落語は月亭文都。初めて聞いたが、マクラがやたら長く、あまりうけない小咄をいくつも続けたうえ、本編が早口でせわしない。あんまり早口だと間が悪くなって面白くなくなるのだなあ。
進行役の南龍の役割は、それぞれの芸能の特徴や他の芸能と比べてみる際のポイントなどを指摘することだと思うのだが、ピンと外れの話が多かった。受けを狙っていろいろ小ネタを挟むのだがセンスがいまいちで、笑いも取れず。講談は久しぶりに聞いたが、そしてそれは古典ではなくてこの公演のために俄作りしたものだが、テンポが悪く、ちっとの面白くなかった。口裁きはいいのになあ…。
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