2018年6月30日土曜日

0628 玉造小劇場「眠らぬ月の下僕」

満蒙開拓団で大陸に渡った少年が敗戦の混乱に巻き込まれ、日本へ帰りたいという意思と裏腹に西へ西へと流転していく。2時間で世界一周を移動する壮大な芝居を近鉄アート館の小さな空間で見せた。舞台の上に人形劇のような小舞台を設け、人形を効果的に使う演出は文楽の影響を感じさせる。特に前半は戦争の描写で次々と人が死ぬのだが、死んだ人形は舞台の上に置き去りにされるのが、何とも言えない虚しさ、悲しさ。 主人公喜久雄を演じたうえだひろしは運命に翻弄される少年の成長を体現。場面転換時のボヤキが何とも言えない可笑しさ。岡田嘉子役の美津乃あわが女優然として印象的。

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