日本の女優の先駆け、松井須磨子の生涯。死んだ須磨子の通夜の場面から始まり、須磨子を生き返らせるという謎の男の導きで過去へ遡って出身地の上田へ。上京、女優デビュー、島崎抱月との不倫関係…と駆け足の感があるのは約2時間の芝居では仕方ないのか。須磨子を3人の女優(船戸香里、韓寿恵、佐々木淳子)が演じるのは多面性を描くため?病死した島崎の後を追った須磨子が出した3通の遺書を3人の女優が読む場面で、このためのトリプルキャストだったのかと思った。
ラストはやや強引か。死んだ須磨子が島崎とともに新天地?を目指し、ジャズに合わせて役者たちが歌い踊る。唐突なミュージカルもどきに戸惑うし、歌も踊りも、一生懸命ではあるけど決して上手くないのがキビしい。そして時は現代へ移り、スマコならぬスマホに夢中な現代人を皮肉り、平成を弔うラストシーン。人力車に乗って現れる黒いドレスの貴婦人(平成の象徴?)のビジュアルは悪くないが。
島崎の正妻役岸部孝子の嫌味っぷりが秀逸だった。
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