2018年6月6日水曜日

0531 トリコ・A「私の家族」

尼崎連続変死事件をモチーフにした作品。喫茶店に集まる人々を「家族」と呼んで共同生活に取り込み、恐怖と甘言で精神的に支配していく様がリアルで、空恐ろしい。主犯格の女は無自覚に周りを巻き込んでいて、明確な悪意のないまま負のスパイラルが加速していく。友達を助けに行ったはずの女が、いつのまにか支配されている。あそこから逃げ出す機会はいくらでもあったはずなのに。思考停止に陥るのはある意味、現状追認が心地いいからだ。自我を保つことの難しさよ。

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