2018年10月23日火曜日

10月20時 文楽素浄瑠璃の会

「鎌倉三代記 金閣寺の段」
靖太夫の懸命な語りに好感。まだ荒削りで大膳の大きさ、悪さが足りない感は否めないが、雪姫の可憐さ、健気さが良かった。錦糸の三味線が確かな足取りで導く。

「三十三間堂棟木由来」
出だしの咲太夫の節遣いに、さすが切り場語りと思ったが、後半は息切れしたのか聞いていて辛く、何度か意識を飛ばしてしまった。特に高音部が搾り出すようで。燕三は終始眉間にシワ。体調が悪かったのだろうか。

「日向島の段」
織太夫は声がよく、声量もあり、語り分けも明確。緩急のある語りで、間違いなくこの日一番だったのだが、今ひとつ心に響かないのは何故だろう。心が込もってない感じがするからだろうか。宗介はいつもながらの手堅い三味線だったが、いつになく神妙な面持ち。
冒頭の謡がかりの前に空気を整えているところでの「織太夫!宗介!」、最後のフライング気味の「大当たり」とも、大向こうの間の悪さったらなかった。

0 件のコメント: