2018年10月15日月曜日
1006 新作能「沖宮」
石牟礼道子の原作、志村ふくみの衣装での新作能。石牟礼の原作は正直、能らしくないなあと思っていたが、手が加えられて能の形式になっていた。
ワキを村長役にし、村長に伴われて少女あやが登場する。島原の乱の戦場となった原城に赴くと、天草四郎の亡霊(金剛龍謹)が現れる。四郎の衣装は臭木で染めた水縹色。内から発光するような不思議な色合い。人柱となるあやがまとう緋色の衣装を四郎が授けるのはいいが、地謡に合わせて水ですすぐ仕草は少々分かりにくいかも。あや役の豊嶋芳野は緋色の衣装が良く似合い、か細い声で「兄しゃま」と呼びかけるのが可憐。あやの舞、四郎の舞もあるが、竜神(金剛永謹)による豪快な舞が能らしい見どころ。天候にも恵まれ、公演中は雨風が止んでいたのが、最期にパラパラと雨粒が落ちて、雨乞いの祈りが届いたかのようだった。
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