2018年10月15日月曜日

1003 十月大歌舞伎 昼の部

「め組の喧嘩」
ってこんな馬鹿馬鹿しい話だったっけか。海老蔵の辰五郎はいつもながらのどこか遠い目をしていて、人を馬鹿にしたようなふわふわとしたセリフには粋や覚悟は感じられない。ただの、半グレチンピラの喧嘩で白けるばかり。鳶か集まって決起するところで、妙な間があったのも緊張感がない。初役だそうだが、彼がやる意味があったのか。雀右衛門の女房もニンに合わないと思う。
子役が可愛く、辰五郎が決死の覚悟で殴り込みに行くところでいつ掴もうかと間合いを図っていた。寿猿はセリフが入っていないのか、床や扇子をやたら見ていたのが気になった。

「団十郎花火」
新作の舞踊、スクリーンに花火を映す演出が安っぽい。
後日、「華果西遊記」を所見。右團治の孫悟空は手品のように如意棒を出したり、鮮やかに棒をあやつったりと器用なところを存分に見せる。分身の右近が可愛い。宙乗りでは筋斗雲をスリッパのように履くのが面白い。米吉の三蔵法師の凛とした美しさ。弘太郎の猪八戒、猿四郎の沙悟浄が面白く、孫悟空と息の合ったやり取り。笑三郎の西梁国女王の妖艶さ、廣松の芙蓉も健闘。

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