2017年11月7日火曜日
11月3日 文楽錦秋公演 第2部
「心中宵庚申」
上田村の段は文字久・藤蔵。文字久の語りはどこが悪いというのではないが、物語に入り込めないのは何故だろう。お千代・半兵衛が夫婦そろってもどかしいというか、イライラするせいか。おかるとお千代という、年代の近い2人の女の語り分けがはっきりしないのと、全体的にメリハリが薄いせいか。
簑助がお千代を勘十郎に譲って、姉おかる。出入りのときに足元がもたつくのはともかく、右手が変なとこから出てるみたいな。奥に引っ込むところで見返りの形はちょっとやり過ぎではなかろうか。(6日に再見。形の違和感は改善していたが、後半を簑二郎が代役)
八百屋の段は千歳・富助。充実の床。伊右衛門女房の憎たらしくも調子のよい様子、半兵衛の誠実さ、お千代の哀れと語り分けが明快で引き込まれる。
道行は三輪を筆頭に睦、靖、文字栄、三味線は団七、団吾、友之助、錦吾、燕二郎。三味線の音が厚く華やかな床。睦はこのところの擦れ声がなく、スランプを脱したか。
勘十郎のお千代、玉男の半兵衛は共に初役で師匠の当たり役を勤める。半兵衛は武士なので、武士の作法で腹を切る。ほかの心中物とは違うしどころなのだろうが、やや冗長に感じた。
「紅葉狩」
呂勢、芳穂、希、亘、碩に宗助、清志郎、清丈、清公、清允。琴2台が舞台端に置かれ、さっと三味線を持ち替えるのが格好いい。
呂勢の美声を堪能できるのはうれしいけれど、物語を聞きたくもあり。
人形は清十郎の更科姫実は鬼女。姫の間は出遣いで簑紫郎が左だった。扇を使っての舞など、滑らかな動きが美しい。紋臣の山神は足遣いのリズム感が悪く、ばたばたしたのが残念。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿