2017年11月2日木曜日

1102 iaku「ハイツブリが飛ぶのを」

九州で大規模な噴火があったあと、群発する噴火の1つがあった地方の避難所。9人の行方不明者のうち8人が死に、たった一人生き残った汽夏(坂本麻紀)は夫秋切の帰りを待っている。訪ねてきた男(緒方晋)を「秋利」と呼んで抱き付くが、その男は被災した妹を探しに来た別の男。被災者の遺族の似顔絵らしきものを描く夜風と名乗るボランティア(佐藤和駿)やのちにやってくる本当の秋利(平林之英)も現れ、サスペンス仕立てで物語が進む。坂本の肚の座った演技、緒方はリリー・フランキー風の枯れた中年男の風情。ただ一人若者の夜風の絶妙なうっとおしさ。記憶をなくした汽夏が思い出そうと途中まで口ずさむ歌。「峠の我が家」「浜辺の歌」が同じメロディ進行という仕掛けで、実は「七夕」や「夏の思い出」も同じというトリック。私は七夕を連想した。もったいぶって引っ張った割に、汽夏が記憶をなくした理由が夫の浮気だったというありがちな落ちがやや拍子抜けだった。

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