2017年11月26日日曜日

1115 遊劇体「のたり、のたり、」

震災復興から取り残されたということだが、どこか社会から取り残されたような人々。朝から酒を飲むのはまだしも、クスリでトリップされると共感しにくい。あけすけな性表現にも戸惑った。 100円(三田村啓示)はトロちゃん(大熊ねこ)のことが好きで、誕生日に時計を贈るが、柳葉包丁で首を切ったことが元で死んでしまう。好きな子に会いに行くのに、体を傷つけないと踏ん切りがつかないという不思議な男。トロちゃんは左目にあざがあることを気にしていて、どこか幼児のようなたどたどしさ。ラストはウイングフィールドの屋上に2人があがり、観客からは見えないところでセリフが交わされる。100円とトロちゃんの間で思いが交わされ、100円は光のなか死へと旅立つ。やさしさにあふれるエンディング。観客の想像力に訴える演出は上手くいったと思うが、初演時と比べてどうだったのだろうか。

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