「端模様夢路門松」
勘十郎が簑太郎だった30歳の頃に作ったという新作。ツメ人形の門松が三人遣いになりたいと夢見る。ツメ人形や動物がたくさん出てきて、賑やか。舞台裏(廊下)、劇中劇の戦場(ツメ人形の日常、侍役の三人遣いに投げ飛ばされ踏みつけられる)、夏祭りの長町裏、と3場面を展開して意外とお金がかかっている。オチは門松に想いを寄せる女中役のツメ人形といい仲になってハッピーエンドの可愛らしい作品。
床は碩に清介、清公、清允。清允は細棹、胡弓も。初演が嶋太夫だそうで、碩の語りに面影を感じたような気がした。
「木下蔭狭間合戦 竹中砦の段」
人形付きでは87年ぶりという復曲上演。桶狭間の戦いと、竹中官兵衛家のドラマが交錯し、物語が二転三転する怒涛の展開に息つく暇もないほど。床は錣・藤蔵。錣は大汗かいての熱演。藤蔵は激しい撥使いで、気づいただけで4回も糸を繰っていた。終始、ほとんど1音ごとに唸っていて、糸を繰りながりも掛け声をかけていたのには感心した。
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