「於染久松色読販」
玉三郎の土手のお六に仁左衛門の鬼門の喜兵衛と、久しぶりにがっつり組んでの共演に期待が高まる。お染の七役はなく、小梅莨屋から瓦町油屋までの強請場がメーン。悪い夫婦ながら息もぴったりで、長年連れ添ったような慣れた様子を醸し出す。
ただ、今回印象に残ったのは脇役陣の活躍。子役の丁稚長吉に真秀、髪結いに福之助と、お江戸の御曹司たちもよかったが、番頭の千次郎、丁稚久太の吉太郎、中間の松十郎と上方勢の活躍がうれしい。千次郎はチャリ場を引っ張る役どころで、死体に灸をすえるところで手指の消毒をしたり、真秀の丁稚が気を利かせたところで「しのぶお母さんの仕込みがいいから」と言ったり。ちょっと芝居が浮足立っている感じは初日のせいか。松十郎は花道で仁左衛門とがっつり芝居をするのが頼もしく、吉太郎は道化の役どころをしっかり演じて花見の引っ込みでは大きな拍手をもらっていた。
「神田祭」
鳶頭の仁左衛門と芸者の玉三郎が終始いちゃいちゃしている一幕。こういう仁左・玉が観たかった!と堪能した。美男美女の並びは目の保養だ。
23日に再見。花道に近い中央席の前方だったので、よく見えたこと!喜兵衛が悪事を働くときに周囲に目を配る周到な様子や、お六とのアイコンタクトによるあうんの呼吸。この2人にしか出せない空気感だと思う。神田祭はちょっと疲れも見え、初日ほどの多幸感はなかったけど、やはり眼福。
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