第一部
金剛流「翁」
金剛永謹の翁、大倉弥太郎の三番三、大倉基誠の千歳。
永謹の声に包容力を感じた。深みのあるいい声。
弥太郎は掛け声や動きが武道家のようい勇ましい。高い位置で束ねた髪がちょんまげのようで、烏帽子にフィットすると思った。
「西王母」
翁から引き続き。シテは今井清隆、ツレ今井克紀、ワキ野口能弘、ワキツレ大日方寛、野口琢弘、アイ大蔵教義。
桃の実がちょっとくすんだ色?
大蔵流「宝の槌」
善竹大二郎のシテ、アドは善竹十郎(果報者)、野島伸二(すっぱ)。
大二郎は声がよく、朗らかでいいのだが、野島がちょっと棒読みっぽいというか…。
喜多流「東岸居士」
シテ粟谷明生、ワキ工藤和哉。
粟谷はテノールの美声で穏やかな舞が荘厳。
和泉流「魚説法」
野村万作のシテ、裕基のアド。
第二部
観世流「胡蝶 物著」
梅若紀彰のシテ、ワキは福王和幸、ワキツレ村瀬堤、矢野昌平。
小書きにより中入りせず、後見座で後シテの扮装に。
大蔵流「土筆」
山本東次郎のシテ、アドは山本則俊。
東次郎の本領を見た。周囲を見渡す視線で青々と広がる野辺が見え、土筆を袂に入れる様子のリアルさ、友人に言い負かされていたたまれない様子など、ほのぼのとしたおかしみが漂う。相撲をとのが微笑ましく、負けて拗ねるのがかわいい。
金春流「俊寛」
櫻間金記のシテ、ツレは政木哲司、柴山暁、ワキは福王茂十郎。
平判官康頼と丹波少将成経は直面で、判官は頭巾を被っている。清水で酒盛りと戯れるところへ、恩赦の使者が現れて…という展開は、文楽や歌舞伎と同じだが、沖へ出ようとする船の艫綱に俊寛がとりつくと、綱を断ち切って振り払う。絶望感が際立つ演出。
茂十郎の声が能楽堂に響き、重厚感を増す。
地謡は布のマスク着用。
和泉流「痩松」
野村万禄のシテ、河野佑紀のアド。
宝生流「野守」
今井泰行のシテ、村山弘のワキ。
地謡がマウスガードをしているのは初めて見た。
0 件のコメント:
コメントを投稿