2021年2月21日日曜日

2月21日 第六十一回 式能 第一部・第二部

第一部 

金剛流「翁」

金剛永謹の翁、大倉弥太郎の三番三、大倉基誠の千歳。

永謹の声に包容力を感じた。深みのあるいい声。

弥太郎は掛け声や動きが武道家のようい勇ましい。高い位置で束ねた髪がちょんまげのようで、烏帽子にフィットすると思った。


「西王母」

翁から引き続き。シテは今井清隆、ツレ今井克紀、ワキ野口能弘、ワキツレ大日方寛、野口琢弘、アイ大蔵教義。

桃の実がちょっとくすんだ色?


大蔵流「宝の槌」

善竹大二郎のシテ、アドは善竹十郎(果報者)、野島伸二(すっぱ)。

大二郎は声がよく、朗らかでいいのだが、野島がちょっと棒読みっぽいというか…。


喜多流「東岸居士」

シテ粟谷明生、ワキ工藤和哉。

粟谷はテノールの美声で穏やかな舞が荘厳。


和泉流「魚説法」

野村万作のシテ、裕基のアド。


第二部

観世流「胡蝶 物著」

梅若紀彰のシテ、ワキは福王和幸、ワキツレ村瀬堤、矢野昌平。

小書きにより中入りせず、後見座で後シテの扮装に。


大蔵流「土筆」

山本東次郎のシテ、アドは山本則俊。

東次郎の本領を見た。周囲を見渡す視線で青々と広がる野辺が見え、土筆を袂に入れる様子のリアルさ、友人に言い負かされていたたまれない様子など、ほのぼのとしたおかしみが漂う。相撲をとのが微笑ましく、負けて拗ねるのがかわいい。


金春流「俊寛」

櫻間金記のシテ、ツレは政木哲司、柴山暁、ワキは福王茂十郎。

平判官康頼と丹波少将成経は直面で、判官は頭巾を被っている。清水で酒盛りと戯れるところへ、恩赦の使者が現れて…という展開は、文楽や歌舞伎と同じだが、沖へ出ようとする船の艫綱に俊寛がとりつくと、綱を断ち切って振り払う。絶望感が際立つ演出。

茂十郎の声が能楽堂に響き、重厚感を増す。

地謡は布のマスク着用。


和泉流「痩松」

野村万禄のシテ、河野佑紀のアド。


宝生流「野守」

今井泰行のシテ、村山弘のワキ。

地謡がマウスガードをしているのは初めて見た。

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