長崎の田舎にある旧家。母(高橋惠子)は娘2人で跡取りが産めなかったことに引け目を感じていて、長女ミドリ(早霧せいな)に婿をとって帰ってきてほしいと思っている。次女のキョウコはシングルマザーとなって育てた娘が成人し、アルバイトをしながら実家暮らし。村の祭りの日に東京で働くミドリが帰ってくる。40歳代になって結婚や出産のタイムリミットが迫るなか、母親の期待に応えられない娘のやるせない感じなんかがよく表現されている…のだろうけど、今一つ腑に落ちなかった。バリバリのキャリアウーマンとして働いているらしいミドリが、生理が来ないからといって簡単に閉経したと思い込んだり、泥酔したとはいえ上司と何かあったか気づかなかったり、妊娠を確かめる前に上司に電話してみたり、という行動に違和感。それなりに教養もあるのだろうから、まず病院に行ったりするだろうし、何かあったのをミドリが忘れていたとしても、当の上司の側の態度に変化があるはずで、何か変だとは感じるはず。近所の少女にませたことを言わせるのもなんだかなあと思った。
高橋惠子の母親は長崎弁のおかげか、ずいぶんと旧態依然としたことを言っているのに嫌みがない。早霧はからりとした様子がいい。三田和代演じる祖母タマエが、別に跡取りがなくて家が絶えてもかまわないとか、ふらりと現れては衝撃的なことを話す。ちょっとぼけたような風情で物語を深刻にしすぎない効果があった。
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