文楽劇場開場35周年記念で「仮名手本忠臣蔵」の大序から四段目まで。
大序は亘・燕次郎→碩・錦吾→小住・清允→咲寿・清公の順か。床の上の簾内がほんのり明るく、かろうじて人物が特定できた。太夫、三味線が2人ずつ並ぶのだが、太夫は前の人が立ったところに次の人が座るのだが、三味線は向かって右の人が弾いている奏者の後ろでスタンバイし入れ替わっていた。
恋歌の段は津国、南都、文字栄に団吾。津国の師直が悪っぽい。
二段目、桃井館力弥使者の段は芳穂・清丈で22年ぶりの上演。芳穂の語りは渋いというか、実直で、初々しさや華やかさが足りない気がした。人形は小浪の紋臣が力弥の名前が出ただけでモジモジするかわいらしさ。
本蔵松切の段は三輪・清友。堅実な床。三輪の語り分けがはっきりして聞きやすい。人形は二段目までは頭巾をかぶっているので、舞台がうるさくなくていい。いちいち拍手もないし。
三段目、下馬先進物の段は小住・寛太郎のアラサーコンビ。鷺坂伴内の文司が人形に似て見えた。
腰元おかる文使いは希・清馗。清馗の三味線はなんかなあ…。希もおかるは高音が映えるのだが、ほかの語り分け、チャりに難あり。
殿中刃傷の段は呂勢・清治。これこれ!これが聴きたかったという、安定の品質。いじわるな役を語る呂勢は生き生きとしているというか、楽しそうというか。高師直が憎たらしくないと、この話は盛り上がらないからね。師直の詞はこれまでよりもたっぷりとしていたような。刃傷の場面では清治の三味線がさえた。
裏門の段は睦・勝平。勝平の三味線はおおらかでいいなあ。睦も高音のカスレもなく、よかった。
四段目、花籠の段は文字久改め藤と團七。改名については口上でさらりと。師匠の呪縛から放たれたのか伸び伸びとした語り。
判官切腹の段は咲・燕三。咲は声がよく出ていて、安定の語り。
城明渡しの段は碩・清允。
人形は和生の判官、勘十郎の師直、玉男の由良助という布陣。
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