ラスベガスの華やかさが宝塚によく似合う。前半の仲間を集めるところが急ぎぎみでバタバタして見えたが、長身のスーツ姿の男たちが集うのは宝塚の醍醐味。
真風涼帆のダニーはスーツ姿の格好良さもさることながら、テスへの一途な愛を訴えるシーンにキュンときた。クールでニヒルな役が似合うかと思いきや、誠実さにこそこの人の魅力があるのかも。「エリザベート」のフランツもよかったし。歌声が深みのある低音で音程が安定しているのも好ましい。たぶん、天性的に歌が上手いというよりは、歌いこんでものにした感じ。踊りで手を伸ばす時に肘を曲げがちなのが惜しい。縮こまって見えて、せっかくの長い手足がもったいない。
テス役の星風まどかは娘役トップの貫禄が出てきたというか、大人の女の魅力があった。白い肌がきれい。ソール・ブルーム役の寿つかさやクィーン・ダイアナ 役の純矢ちとせらベテラン勢がキャラクターの立った演技でスパイスを効かせる。フランク・カットン役の澄輝さやとら一部が黒塗りだったのに違和感。原作映画で黒人が演じたキャラなのだろうか?黒人である必然性がないし、何より映らない。
開幕後すぐに105期生のお披露目のあいさつ。相変わらず頭のてっぺんから出すような声がいただけない。ラインダンスはフィナーレで。振り付けが洗練されていて悪くなかった。
2019年4月26日金曜日
2019年4月25日木曜日
0424 まほろば
長崎の田舎にある旧家。母(高橋惠子)は娘2人で跡取りが産めなかったことに引け目を感じていて、長女ミドリ(早霧せいな)に婿をとって帰ってきてほしいと思っている。次女のキョウコはシングルマザーとなって育てた娘が成人し、アルバイトをしながら実家暮らし。村の祭りの日に東京で働くミドリが帰ってくる。40歳代になって結婚や出産のタイムリミットが迫るなか、母親の期待に応えられない娘のやるせない感じなんかがよく表現されている…のだろうけど、今一つ腑に落ちなかった。バリバリのキャリアウーマンとして働いているらしいミドリが、生理が来ないからといって簡単に閉経したと思い込んだり、泥酔したとはいえ上司と何かあったか気づかなかったり、妊娠を確かめる前に上司に電話してみたり、という行動に違和感。それなりに教養もあるのだろうから、まず病院に行ったりするだろうし、何かあったのをミドリが忘れていたとしても、当の上司の側の態度に変化があるはずで、何か変だとは感じるはず。近所の少女にませたことを言わせるのもなんだかなあと思った。
高橋惠子の母親は長崎弁のおかげか、ずいぶんと旧態依然としたことを言っているのに嫌みがない。早霧はからりとした様子がいい。三田和代演じる祖母タマエが、別に跡取りがなくて家が絶えてもかまわないとか、ふらりと現れては衝撃的なことを話す。ちょっとぼけたような風情で物語を深刻にしすぎない効果があった。
高橋惠子の母親は長崎弁のおかげか、ずいぶんと旧態依然としたことを言っているのに嫌みがない。早霧はからりとした様子がいい。三田和代演じる祖母タマエが、別に跡取りがなくて家が絶えてもかまわないとか、ふらりと現れては衝撃的なことを話す。ちょっとぼけたような風情で物語を深刻にしすぎない効果があった。
2019年4月23日火曜日
4月21日 四月大歌舞伎 夜の部
「実盛物語」
仁左衛門の実盛はすっきりとした立ち姿が美しく、口跡のよさに聞きほれる。瀬尾が小万の死骸を蹴り飛ばすところでの表情が雄弁で物語の深みが増す。瀬尾十郎は歌六。大きさがあってよい。
九郎助、小よし夫婦は松之助、斉入で、いい老夫婦ぶり。葵御前の米吉は美しいが、少し気品が足りないか。
倅太郎吉の寺島真秀は頑張っていたけれど、ちょっと間が悪いところも。小万の死を知ったところでの反応が早すぎるとか。
「黒塚」
猿之助の岩手。照明を駆使した演出で、凝っていたのだけれど、え?黒塚ってこんなだっけという感じ。しみじみとした哀れさがなくなってしまったよう。
阿闍梨祐慶の錦之助がキリリとした二枚目。山伏は種之助と鷹之資。鷹之資は所作がきれい。強力の猿弥がコミカルな演技だけでなく、踊りのうまさもあって楽しませた。
「二人夕霧」
伊左衛門(鴈治郎)と後の夕霧(孝太郎)、弟子いや風(弥十郎)、てんれつ(萬太郎)、小れん(千之助)のコントのようなやり取りは面白いのだが、中盤からの舞踊要素が多くなったあたりからしんどくなった。先の夕霧の魁春は背が曲がっているようで、若々しい華やぎに欠けるような。二人の夕霧との痴話げんかが、なぜか2人とも妻にすることで収まり、最後は伊左衛門の勘当が許されて大団円。なんだかなあ。
仁左衛門の実盛はすっきりとした立ち姿が美しく、口跡のよさに聞きほれる。瀬尾が小万の死骸を蹴り飛ばすところでの表情が雄弁で物語の深みが増す。瀬尾十郎は歌六。大きさがあってよい。
九郎助、小よし夫婦は松之助、斉入で、いい老夫婦ぶり。葵御前の米吉は美しいが、少し気品が足りないか。
倅太郎吉の寺島真秀は頑張っていたけれど、ちょっと間が悪いところも。小万の死を知ったところでの反応が早すぎるとか。
「黒塚」
猿之助の岩手。照明を駆使した演出で、凝っていたのだけれど、え?黒塚ってこんなだっけという感じ。しみじみとした哀れさがなくなってしまったよう。
阿闍梨祐慶の錦之助がキリリとした二枚目。山伏は種之助と鷹之資。鷹之資は所作がきれい。強力の猿弥がコミカルな演技だけでなく、踊りのうまさもあって楽しませた。
「二人夕霧」
伊左衛門(鴈治郎)と後の夕霧(孝太郎)、弟子いや風(弥十郎)、てんれつ(萬太郎)、小れん(千之助)のコントのようなやり取りは面白いのだが、中盤からの舞踊要素が多くなったあたりからしんどくなった。先の夕霧の魁春は背が曲がっているようで、若々しい華やぎに欠けるような。二人の夕霧との痴話げんかが、なぜか2人とも妻にすることで収まり、最後は伊左衛門の勘当が許されて大団円。なんだかなあ。
4月19日 ギア
ロングラン公演が7年になったというノンバーバルパフォーマンスをようやく初見。
古いおもちゃ工場を舞台に、作業ロボットと工場で作っていた人形が繰り広げるファンタジー。人形に不思議な力で命が吹き込まれ、その人形に触れたロボットたちも生き生きと動き出し、ブレイクダンス、マイム、手品、ジャグリングそれぞれ芸を披露する。突出してすごい!というのではないが、どれもプロとして通用するレベル。最後に大量の紙吹雪が舞い、ちょっとしたカタルシスもあり、90分飽きなく見られた。泣きはしないが。
照明が凝っているのは専用劇場の強みだろう。オープニングや、ドールの衣装が次々と色を変えるのがきれいで、小さい女の子が憧れそう。普段、プロジェクションマッピングは苦手なのだが、これは違和感なく見られた。
古いおもちゃ工場を舞台に、作業ロボットと工場で作っていた人形が繰り広げるファンタジー。人形に不思議な力で命が吹き込まれ、その人形に触れたロボットたちも生き生きと動き出し、ブレイクダンス、マイム、手品、ジャグリングそれぞれ芸を披露する。突出してすごい!というのではないが、どれもプロとして通用するレベル。最後に大量の紙吹雪が舞い、ちょっとしたカタルシスもあり、90分飽きなく見られた。泣きはしないが。
照明が凝っているのは専用劇場の強みだろう。オープニングや、ドールの衣装が次々と色を変えるのがきれいで、小さい女の子が憧れそう。普段、プロジェクションマッピングは苦手なのだが、これは違和感なく見られた。
4月17日 桃花祭御神能
「翁」
面箱の茂山忠三郎が似合ってた。
翁の舞が終わったあたりで、舞台の下から鹿が乱入。
湿気のせいかびっくりするほど大鼓が鳴らなくて気の毒なほど。力が入るあまりか前屈みになって烏帽子が外れそうになり、後見が支えていた。三番三の鈴も鳴らなくて、イマイチ締まらなかった。
「養老」
シテは大江広祐。後シテの舞がキリッとして良かった。手足が長いせいか、動きがダイナミック。舞い終わったところで、橋掛りの奥の楽屋の屋根に鳥の群れが横切る影が映る。偶然だが、計ったようなタイミングだった。
「雁礫」
茂山茂のシテに、井口竜也、千五郎。茂山家の人々が出てくるとなんだか落ち着く。狂言になると客席がざわざわするのはいつものことだが、よく笑いも起きていた。
「俊寛」
シテは素人さん?足取りが覚束なく、後見が度々体の向きを直してあげていた。
ワキは福王和幸、間の忠三郎と船に乗って、喜界島に流された流人の恩赦を伝える。仲間2人は許されたのに、ただ一人島に残される俊寛。船の綱を掴んで引き留めようとする俊寛の前に、ぷっつりと切れた綱が投げられる。呆然とした俊寛の哀しさがつのる。
「土筆」
(パス)
「羽衣」
羽衣だからかギャラリーは多かったのだけど、正直残念な出来。
「茫々頭」
(パス)
「三輪」
ワキの福王和幸の横顔に見惚れる。声よし、姿よしの人よな。
シテが素人さんだったらしく、後見だけでなく、地謡からも詞章や動きの指示が飛んでハラハラした。思いのほか前に出すぎた時なんか、慌てて飛び出そうとしてたものなあ。
この時点で終演予定の16時。このままいくと、18時くらいまでかかるんじゃないかと思って、「清水」と「融」は失礼した。
自然光での能公演を見てみたいと行ってみたが、朝方は舞台の上手側前方から差してた光が舞台の前方3分の1ほどまで届いていたが、正午頃には真上からになり舞台全体が日陰に、午後はだんだんと舞台下手に光が差してくる。多分、面の見え方も違ってくるのだろうけど、どう違うのかまでは判断できず。鳥のさえずりや、鹿の乱入、潮の満ち引きで後方の景色が変わるのが興味深かった。
面箱の茂山忠三郎が似合ってた。
翁の舞が終わったあたりで、舞台の下から鹿が乱入。
湿気のせいかびっくりするほど大鼓が鳴らなくて気の毒なほど。力が入るあまりか前屈みになって烏帽子が外れそうになり、後見が支えていた。三番三の鈴も鳴らなくて、イマイチ締まらなかった。
「養老」
シテは大江広祐。後シテの舞がキリッとして良かった。手足が長いせいか、動きがダイナミック。舞い終わったところで、橋掛りの奥の楽屋の屋根に鳥の群れが横切る影が映る。偶然だが、計ったようなタイミングだった。
「雁礫」
茂山茂のシテに、井口竜也、千五郎。茂山家の人々が出てくるとなんだか落ち着く。狂言になると客席がざわざわするのはいつものことだが、よく笑いも起きていた。
「俊寛」
シテは素人さん?足取りが覚束なく、後見が度々体の向きを直してあげていた。
ワキは福王和幸、間の忠三郎と船に乗って、喜界島に流された流人の恩赦を伝える。仲間2人は許されたのに、ただ一人島に残される俊寛。船の綱を掴んで引き留めようとする俊寛の前に、ぷっつりと切れた綱が投げられる。呆然とした俊寛の哀しさがつのる。
「土筆」
(パス)
「羽衣」
羽衣だからかギャラリーは多かったのだけど、正直残念な出来。
「茫々頭」
(パス)
「三輪」
ワキの福王和幸の横顔に見惚れる。声よし、姿よしの人よな。
シテが素人さんだったらしく、後見だけでなく、地謡からも詞章や動きの指示が飛んでハラハラした。思いのほか前に出すぎた時なんか、慌てて飛び出そうとしてたものなあ。
この時点で終演予定の16時。このままいくと、18時くらいまでかかるんじゃないかと思って、「清水」と「融」は失礼した。
自然光での能公演を見てみたいと行ってみたが、朝方は舞台の上手側前方から差してた光が舞台の前方3分の1ほどまで届いていたが、正午頃には真上からになり舞台全体が日陰に、午後はだんだんと舞台下手に光が差してくる。多分、面の見え方も違ってくるのだろうけど、どう違うのかまでは判断できず。鳥のさえずりや、鹿の乱入、潮の満ち引きで後方の景色が変わるのが興味深かった。
4月16日 OSK日本歌劇団「春のおどり」
「春爛漫桐生祝祭」
山村友五郎演出の和物レビュー。チョンパで「春のおどりは〜」と始まる総踊り。真ん中に立つ新トップの桐生は、背の高さ、すらりとした立ち姿が舞台に映える。歌は低音が安定していて聴きやすい。新トップより、二番手の楊琳のほうが緊張して見える。
場面変わって、客席から貧乏な父娘。緋波亜紀は特別専科らしく客いじりも上手いが、何で?その後、花街で遊ぶ若旦那が父娘から取ったノミ?を太鼓持ちや遊女に撒いて、痒がりながら踊るのだか、高度すぎるというか、この遊び必要か?太鼓持ちの男役は痒がりながらの踊りが達者だったが。
かと思えば、桐生が天神さんになって楊と対決など、トップらしからぬ、でも桐生に似合う役回りも。祭の場面でふざけたりするのが、余裕があってトップの器を感じた。
「STORM of APPLAUSE」
スピード感があって見応えあり。ゴールドの衣装もゴージャスで、華やか。
全身黒の衣装で、男役5人から群舞に展開するのがコンテっぽい振り付けで格好良かった。音楽はビバルディの「冬」からベートーベンの「運命」?途中のゴスペル風のところは、ちょっと「明日へのエナジー」を思い出したが、負けずと良かった。ダンスが得意な楊をはじめ、下級生にも見せ場を作っていたのが、いい構成。
ラスト、羽根を背負わないのも、私としては高評価。
山村友五郎演出の和物レビュー。チョンパで「春のおどりは〜」と始まる総踊り。真ん中に立つ新トップの桐生は、背の高さ、すらりとした立ち姿が舞台に映える。歌は低音が安定していて聴きやすい。新トップより、二番手の楊琳のほうが緊張して見える。
場面変わって、客席から貧乏な父娘。緋波亜紀は特別専科らしく客いじりも上手いが、何で?その後、花街で遊ぶ若旦那が父娘から取ったノミ?を太鼓持ちや遊女に撒いて、痒がりながら踊るのだか、高度すぎるというか、この遊び必要か?太鼓持ちの男役は痒がりながらの踊りが達者だったが。
かと思えば、桐生が天神さんになって楊と対決など、トップらしからぬ、でも桐生に似合う役回りも。祭の場面でふざけたりするのが、余裕があってトップの器を感じた。
「STORM of APPLAUSE」
スピード感があって見応えあり。ゴールドの衣装もゴージャスで、華やか。
全身黒の衣装で、男役5人から群舞に展開するのがコンテっぽい振り付けで格好良かった。音楽はビバルディの「冬」からベートーベンの「運命」?途中のゴスペル風のところは、ちょっと「明日へのエナジー」を思い出したが、負けずと良かった。ダンスが得意な楊をはじめ、下級生にも見せ場を作っていたのが、いい構成。
ラスト、羽根を背負わないのも、私としては高評価。
2019年4月14日日曜日
0413 母と惑星について、および自転する女たちの記録
奔放な母に育てられた3姉妹。それぞれ母を反面教師に違った人生を生きようとするけれど、どこか皆母に似ている。私の母とは違うけれど、母と娘の相反する何かわかる気がする。急死した母の遺骨を撒くためにイスタンブールを旅し、長女(田畑智子)はエッセイ、次女(鈴木杏)は夫とのSMS、三女(芳根京子)は手紙で気持ちを表す。八百屋になったシンプルなセット。真ん中がスライドして、卓袱台や母の経営するスナックが現れると、回想シーンになるしかけ。
初演でも同じ役で出演していた田畑と鈴木がリアリティのある演技。母親役のキムラ緑子が圧倒的な存在感。舞台2回目という芳根は舞台の発声になっておらず、独白が聴きづらかったが、末っ子の痛々しさがあった。
初演でも同じ役で出演していた田畑と鈴木がリアリティのある演技。母親役のキムラ緑子が圧倒的な存在感。舞台2回目という芳根は舞台の発声になっておらず、独白が聴きづらかったが、末っ子の痛々しさがあった。
0413 第81回 喜多流涌泉能
喜多流は初めてだと思うが、詞章が効きやすかったのは流派の特徴か、大江能楽堂の狭さゆえか。学生(能でサークル)や外国人の姿が目立ったのと、とてもカジュアルな客が多かった。(着物の人もいたけれど)
「実盛」は高林呻二のシテ、江崎鉄次朗のワキ。間狂言で網谷正美が出ていたが、年齢を感じてしまった。
「附子」は七五三の太郎冠者、宗彦の次郎冠者、網谷の主人。狂言ビギナーが多いのか、やたらに受けていた。網谷の表情から砂糖を食われ、秘蔵の品を壊された主人のもの悲しさがひしひしと伝わる可笑しさ。
「雷電」は高林昌司のシテ、福王知登のワキ。菅丞相の怒りに迫力がある。
「実盛」は高林呻二のシテ、江崎鉄次朗のワキ。間狂言で網谷正美が出ていたが、年齢を感じてしまった。
「附子」は七五三の太郎冠者、宗彦の次郎冠者、網谷の主人。狂言ビギナーが多いのか、やたらに受けていた。網谷の表情から砂糖を食われ、秘蔵の品を壊された主人のもの悲しさがひしひしと伝わる可笑しさ。
「雷電」は高林昌司のシテ、福王知登のワキ。菅丞相の怒りに迫力がある。
0412 KEREN 日本総狂宴ステージ
何と評していいものやら。呆然、唖然の75分間だった。
目まぐるしく場面が変わって、怒涛のように刺激が与えられるのだが、稚拙で荒っぽく、まるで感動がない。
着物姿で現れた女性ダンサー(足元はヒール)が着物を脱ぎ捨て、ミニスカートで踊りだす。かと思えば、女性ソロ(伊東愛)が和服姿で春夏秋冬のCGをバックに歌うのだが、慌ただしくて情緒がなく、しかもマイクが見当たらない。もしかして口パク?歌舞伎風メイク(というより京劇っぽい)の禿頭の男(後で調べたところ、室田晃という吉本所属の俳優)が現れ、海女のような衣装の女たちが踊り、和太鼓が叩かれ、太鼓のばちをもって踊り…。
暗闇の中、靴底が光ってタップのリズムが流れるが、生音ではないよね?
道頓堀らしき街中を阪神タイガース風の袴男(金久寛章)とドラゴンボールの悟空のような少年?が追いかけっこ。やがて草木の茂った神社?に移り、提灯が燃え、女の幽霊が現れる。飛ぶ火の玉はスライムのよう。大蝦蟇に乗って隈取男が現れ、ゾンビや骸骨、幽霊やお化けが踊る。唐突に隈取男が葛籠抜けの宙乗り。
浪人風の男が竹林で立ち回り。大勢の子分を引き連れたヤクザの親分と対決。浪人は敵を次々と倒し、モニターに表示された数字が一人二人と減っていくが、最後ボスとの一騎打ちで銃で撃たれてジエンド。
灰色スーツのサラリーマン。出勤の支度をして、満員電車に揺られ、トイレへ。後方から水芸のような扮装の女が現れるが、扇をかざすもそこから水は出ず、座っている欄干から水が噴き出す。
剣を持った紺色の道着の男たちとタキシードのタップダンサーが入り乱れ、托鉢僧がタップダンス用の金具を仕込んだ足袋で踊る中へタキシードと白ドレスの男女3組のペアダンス。
紅白の獅子は連獅子らしい振り付けで毛振りもあるのだが、思わず失笑。
サングラスにスーツの男たちと、AKB風の制服女たちが対決。隈取がラップ。AKBのリーダーを相撲取りが追いかける。相撲取りは3人になり、四羽の白鳥の曲で踊る。
くノ一と僧、忍者が漫画風のCGを交えて戦う。悟空が指で障子で影絵。障子に女のシルエット、飾り窓のように遊女たちが踊る。
再び大蝦蟇と隈取、忍者の集団とくノ一集団が対決。ライトセーバーのような刀、かめはめ波?燃え落ちる大仏堂。隈取は蝦蟇に食われる。白いドレスの女が宙乗り。ミニスカの女たちとサラリーマン、最後パチンコ玉が落ちてきてラスト。
メモを書き起こしてみたけれど、何のことやらさっぱり分からん。いろいろコスプレして踊ってみたという感じで、高校か大学のダンス部の発表会のよう。1人やけに踊れるダンサー(チェイス・マックスウェル)が回転技など披露していたのが、取ってつけたよう。女性のメインキャスト伊東愛はなかなか芸達者だが元SDN48だそうな。終演後、「面白かったー」という声が聞こえたので振り向いたら、キャストの札を着けて女の子たち。今日出演しないキャストが客席から見ていたらしい。
目まぐるしく場面が変わって、怒涛のように刺激が与えられるのだが、稚拙で荒っぽく、まるで感動がない。
着物姿で現れた女性ダンサー(足元はヒール)が着物を脱ぎ捨て、ミニスカートで踊りだす。かと思えば、女性ソロ(伊東愛)が和服姿で春夏秋冬のCGをバックに歌うのだが、慌ただしくて情緒がなく、しかもマイクが見当たらない。もしかして口パク?歌舞伎風メイク(というより京劇っぽい)の禿頭の男(後で調べたところ、室田晃という吉本所属の俳優)が現れ、海女のような衣装の女たちが踊り、和太鼓が叩かれ、太鼓のばちをもって踊り…。
暗闇の中、靴底が光ってタップのリズムが流れるが、生音ではないよね?
道頓堀らしき街中を阪神タイガース風の袴男(金久寛章)とドラゴンボールの悟空のような少年?が追いかけっこ。やがて草木の茂った神社?に移り、提灯が燃え、女の幽霊が現れる。飛ぶ火の玉はスライムのよう。大蝦蟇に乗って隈取男が現れ、ゾンビや骸骨、幽霊やお化けが踊る。唐突に隈取男が葛籠抜けの宙乗り。
浪人風の男が竹林で立ち回り。大勢の子分を引き連れたヤクザの親分と対決。浪人は敵を次々と倒し、モニターに表示された数字が一人二人と減っていくが、最後ボスとの一騎打ちで銃で撃たれてジエンド。
灰色スーツのサラリーマン。出勤の支度をして、満員電車に揺られ、トイレへ。後方から水芸のような扮装の女が現れるが、扇をかざすもそこから水は出ず、座っている欄干から水が噴き出す。
剣を持った紺色の道着の男たちとタキシードのタップダンサーが入り乱れ、托鉢僧がタップダンス用の金具を仕込んだ足袋で踊る中へタキシードと白ドレスの男女3組のペアダンス。
紅白の獅子は連獅子らしい振り付けで毛振りもあるのだが、思わず失笑。
サングラスにスーツの男たちと、AKB風の制服女たちが対決。隈取がラップ。AKBのリーダーを相撲取りが追いかける。相撲取りは3人になり、四羽の白鳥の曲で踊る。
くノ一と僧、忍者が漫画風のCGを交えて戦う。悟空が指で障子で影絵。障子に女のシルエット、飾り窓のように遊女たちが踊る。
再び大蝦蟇と隈取、忍者の集団とくノ一集団が対決。ライトセーバーのような刀、かめはめ波?燃え落ちる大仏堂。隈取は蝦蟇に食われる。白いドレスの女が宙乗り。ミニスカの女たちとサラリーマン、最後パチンコ玉が落ちてきてラスト。
メモを書き起こしてみたけれど、何のことやらさっぱり分からん。いろいろコスプレして踊ってみたという感じで、高校か大学のダンス部の発表会のよう。1人やけに踊れるダンサー(チェイス・マックスウェル)が回転技など披露していたのが、取ってつけたよう。女性のメインキャスト伊東愛はなかなか芸達者だが元SDN48だそうな。終演後、「面白かったー」という声が聞こえたので振り向いたら、キャストの札を着けて女の子たち。今日出演しないキャストが客席から見ていたらしい。
2019年4月12日金曜日
0411 OSK日本歌劇団「REVUE JAPAN!」
朔矢しゅうを中心に、登堂結斗、唯城ありす、蘭ちさと、有絢まこ、涼乃あゆ、知颯かなでが出演。
花柳基の作・演出で日本舞踊をベースにしたショー。若衆と娘の総踊りに始まり、客席を巻き込んでの舞体験は「さくらさくら」に振り付け。外国人も楽しんでいたようで、最後は舞台に上げて舞を披露。涼乃あゆが達者な英語で、日本語がわからない人も置いてけぼりにしない心遣いを見せる。
再びショーに戻って、まずは土蜘蛛モチーフの踊り。遊女に誘われた若武者が酒に酔わされ、蜘蛛の化身の花魁と立ち回りを見せる。若武者役の登堂結斗が長身で颯爽とした格好良さ。花魁の唯城ありすは立ち姿が美しく、妖艶さを漂わせる芝居気もある。
最後は、朔矢しゅうが隈取をした獅子の扮装で。本格的な毛振りもなかなかのもので、見応え充分だった。
日本舞踊の基本に則った作品だったので、素養のある人はまあ楽しめると思うが、まっさらな状態で見る人や外国人にはどこまで伝わるのか。舞台装置はほとんどなく、時折後方のスクリーンに背景が映し出される程度。打ち込みっぽい音楽も安っぽくて残念だった。
花柳基の作・演出で日本舞踊をベースにしたショー。若衆と娘の総踊りに始まり、客席を巻き込んでの舞体験は「さくらさくら」に振り付け。外国人も楽しんでいたようで、最後は舞台に上げて舞を披露。涼乃あゆが達者な英語で、日本語がわからない人も置いてけぼりにしない心遣いを見せる。
再びショーに戻って、まずは土蜘蛛モチーフの踊り。遊女に誘われた若武者が酒に酔わされ、蜘蛛の化身の花魁と立ち回りを見せる。若武者役の登堂結斗が長身で颯爽とした格好良さ。花魁の唯城ありすは立ち姿が美しく、妖艶さを漂わせる芝居気もある。
最後は、朔矢しゅうが隈取をした獅子の扮装で。本格的な毛振りもなかなかのもので、見応え充分だった。
日本舞踊の基本に則った作品だったので、素養のある人はまあ楽しめると思うが、まっさらな状態で見る人や外国人にはどこまで伝わるのか。舞台装置はほとんどなく、時折後方のスクリーンに背景が映し出される程度。打ち込みっぽい音楽も安っぽくて残念だった。
2019年4月10日水曜日
0409 文楽公演 第2部
「祇園祭礼信仰記」
金閣寺の段は織・藤蔵。織はよく通る声で熱演していたのだが、大膳の下種さ、嫌らしさが薄くて、好漢のようだった。
爪先鼠の段は千歳・富助。前半は雪姫の詞がブツ切れな感じでどうかと思っていたが、後半のフシになると心地よい語りだった。アトに芳穂・清志郎。
人形は此下東吉の玉助が桜の木をよじ登ったりと得意の勇壮な立ち役を熱演。雪姫は清十郎。爪先鼠は歌舞伎のように大量の桜吹雪が舞うのでなく、地面に積もった花びらを集める演出。ちょっと花びらを舞い上げてはいたけれど、視覚的には歌舞伎のほうがインパクトあるか。
「近頃河原の達引」
四条河原の段は靖・錦糸。靖が久しぶりによかった。こういうちょっと地味なものは合うのかな。
堀川猿回しの段は前の津駒・宗助にツレの清公、後は呂・清介にツレの友之助となかなか贅沢。呂はいつになくはじめからちゃんと声が出ていて、やればできるじゃんという感じ。
人形はおさるさんが可愛いのに目を奪われがちだが、玉也の猿回し与次郎の純朴さ、おしゅんの簑二郎、伝兵衛の勘弥もよかった。
忠臣蔵に話題は集中しがちだけど、第2部も充実のラインナップ。残念なのは第1部に比べて客席がまばらなこと…。
金閣寺の段は織・藤蔵。織はよく通る声で熱演していたのだが、大膳の下種さ、嫌らしさが薄くて、好漢のようだった。
爪先鼠の段は千歳・富助。前半は雪姫の詞がブツ切れな感じでどうかと思っていたが、後半のフシになると心地よい語りだった。アトに芳穂・清志郎。
人形は此下東吉の玉助が桜の木をよじ登ったりと得意の勇壮な立ち役を熱演。雪姫は清十郎。爪先鼠は歌舞伎のように大量の桜吹雪が舞うのでなく、地面に積もった花びらを集める演出。ちょっと花びらを舞い上げてはいたけれど、視覚的には歌舞伎のほうがインパクトあるか。
「近頃河原の達引」
四条河原の段は靖・錦糸。靖が久しぶりによかった。こういうちょっと地味なものは合うのかな。
堀川猿回しの段は前の津駒・宗助にツレの清公、後は呂・清介にツレの友之助となかなか贅沢。呂はいつになくはじめからちゃんと声が出ていて、やればできるじゃんという感じ。
人形はおさるさんが可愛いのに目を奪われがちだが、玉也の猿回し与次郎の純朴さ、おしゅんの簑二郎、伝兵衛の勘弥もよかった。
忠臣蔵に話題は集中しがちだけど、第2部も充実のラインナップ。残念なのは第1部に比べて客席がまばらなこと…。
0409 文楽公演 第1部
文楽劇場開場35周年記念で「仮名手本忠臣蔵」の大序から四段目まで。
大序は亘・燕次郎→碩・錦吾→小住・清允→咲寿・清公の順か。床の上の簾内がほんのり明るく、かろうじて人物が特定できた。太夫、三味線が2人ずつ並ぶのだが、太夫は前の人が立ったところに次の人が座るのだが、三味線は向かって右の人が弾いている奏者の後ろでスタンバイし入れ替わっていた。
恋歌の段は津国、南都、文字栄に団吾。津国の師直が悪っぽい。
二段目、桃井館力弥使者の段は芳穂・清丈で22年ぶりの上演。芳穂の語りは渋いというか、実直で、初々しさや華やかさが足りない気がした。人形は小浪の紋臣が力弥の名前が出ただけでモジモジするかわいらしさ。
本蔵松切の段は三輪・清友。堅実な床。三輪の語り分けがはっきりして聞きやすい。人形は二段目までは頭巾をかぶっているので、舞台がうるさくなくていい。いちいち拍手もないし。
三段目、下馬先進物の段は小住・寛太郎のアラサーコンビ。鷺坂伴内の文司が人形に似て見えた。
腰元おかる文使いは希・清馗。清馗の三味線はなんかなあ…。希もおかるは高音が映えるのだが、ほかの語り分け、チャりに難あり。
殿中刃傷の段は呂勢・清治。これこれ!これが聴きたかったという、安定の品質。いじわるな役を語る呂勢は生き生きとしているというか、楽しそうというか。高師直が憎たらしくないと、この話は盛り上がらないからね。師直の詞はこれまでよりもたっぷりとしていたような。刃傷の場面では清治の三味線がさえた。
裏門の段は睦・勝平。勝平の三味線はおおらかでいいなあ。睦も高音のカスレもなく、よかった。
四段目、花籠の段は文字久改め藤と團七。改名については口上でさらりと。師匠の呪縛から放たれたのか伸び伸びとした語り。
判官切腹の段は咲・燕三。咲は声がよく出ていて、安定の語り。
城明渡しの段は碩・清允。
人形は和生の判官、勘十郎の師直、玉男の由良助という布陣。
大序は亘・燕次郎→碩・錦吾→小住・清允→咲寿・清公の順か。床の上の簾内がほんのり明るく、かろうじて人物が特定できた。太夫、三味線が2人ずつ並ぶのだが、太夫は前の人が立ったところに次の人が座るのだが、三味線は向かって右の人が弾いている奏者の後ろでスタンバイし入れ替わっていた。
恋歌の段は津国、南都、文字栄に団吾。津国の師直が悪っぽい。
二段目、桃井館力弥使者の段は芳穂・清丈で22年ぶりの上演。芳穂の語りは渋いというか、実直で、初々しさや華やかさが足りない気がした。人形は小浪の紋臣が力弥の名前が出ただけでモジモジするかわいらしさ。
本蔵松切の段は三輪・清友。堅実な床。三輪の語り分けがはっきりして聞きやすい。人形は二段目までは頭巾をかぶっているので、舞台がうるさくなくていい。いちいち拍手もないし。
三段目、下馬先進物の段は小住・寛太郎のアラサーコンビ。鷺坂伴内の文司が人形に似て見えた。
腰元おかる文使いは希・清馗。清馗の三味線はなんかなあ…。希もおかるは高音が映えるのだが、ほかの語り分け、チャりに難あり。
殿中刃傷の段は呂勢・清治。これこれ!これが聴きたかったという、安定の品質。いじわるな役を語る呂勢は生き生きとしているというか、楽しそうというか。高師直が憎たらしくないと、この話は盛り上がらないからね。師直の詞はこれまでよりもたっぷりとしていたような。刃傷の場面では清治の三味線がさえた。
裏門の段は睦・勝平。勝平の三味線はおおらかでいいなあ。睦も高音のカスレもなく、よかった。
四段目、花籠の段は文字久改め藤と團七。改名については口上でさらりと。師匠の呪縛から放たれたのか伸び伸びとした語り。
判官切腹の段は咲・燕三。咲は声がよく出ていて、安定の語り。
城明渡しの段は碩・清允。
人形は和生の判官、勘十郎の師直、玉男の由良助という布陣。
2019年4月7日日曜日
4月6日 大槻能楽堂改修 勧進能
「安宅」
大槻文蔵の舞納め。終始静謐な緊張感の漂う、品のある弁慶だった。郎党は大槻祐一を筆頭に気迫みなぎる熱演。押し戻しは文蔵が少し押され気味だったように見えたが 、年齢を考えるとしかたないのか。義経役の子役、茂山慶和が少々元気すぎというか、調子はずれ気味の謡がちょっと煩い。
「仏師」
善竹弥五郎、忠重の兄弟共演。弥五郎のすっぱはとぼけた感じが可笑しい。
「土蜘蛛」
後シテの土蜘蛛の精のツレで大槻祐一が出演する新演出とのアナウンス。梅若実が前シテの僧の姿で登場したとき、あまりにも面差しが変わっているので別人かと思った。前シテでは杖をつきながらも何とか舞台上の移動もこなしていたが、頼光(?)と対決するところで、足拍子が踏めない実を助けて相手方も同時に足拍子を踏んでいた。後シテの土蜘蛛は作り物から一歩出ただけでほとんど動かず。蜘蛛の糸も2回くらい?ツレの裕一が動き回って、橋掛かりで立ち回りを演じ、最期は後ろ向きにどっかと倒れ、面がずれるほどの熱演。普段よりもたくさん糸が飛び交っていて、派手派手しい演出だった。
ワキの福王和幸が凛々しい武者ぶり。青の利いた衣装も清々しく、眼福。
大槻文蔵の舞納め。終始静謐な緊張感の漂う、品のある弁慶だった。郎党は大槻祐一を筆頭に気迫みなぎる熱演。押し戻しは文蔵が少し押され気味だったように見えたが 、年齢を考えるとしかたないのか。義経役の子役、茂山慶和が少々元気すぎというか、調子はずれ気味の謡がちょっと煩い。
「仏師」
善竹弥五郎、忠重の兄弟共演。弥五郎のすっぱはとぼけた感じが可笑しい。
「土蜘蛛」
後シテの土蜘蛛の精のツレで大槻祐一が出演する新演出とのアナウンス。梅若実が前シテの僧の姿で登場したとき、あまりにも面差しが変わっているので別人かと思った。前シテでは杖をつきながらも何とか舞台上の移動もこなしていたが、頼光(?)と対決するところで、足拍子が踏めない実を助けて相手方も同時に足拍子を踏んでいた。後シテの土蜘蛛は作り物から一歩出ただけでほとんど動かず。蜘蛛の糸も2回くらい?ツレの裕一が動き回って、橋掛かりで立ち回りを演じ、最期は後ろ向きにどっかと倒れ、面がずれるほどの熱演。普段よりもたくさん糸が飛び交っていて、派手派手しい演出だった。
ワキの福王和幸が凛々しい武者ぶり。青の利いた衣装も清々しく、眼福。
0405 雪まろげ
高畑淳子の夢子は本人も言っていた通り、全身全霊で嘘をつく感じ。孤児で周りの人達の目を伺いたいながら生きてきたので、調子を合わせて嘘つくことが習い性になっているという必死さが伝わる。お座敷で酔客に絡まれる同僚芸者を助けたり、とにかく揉め事が起こると場を収めるために上手いことを言う夢子が痛々しいほど。
意外だったのは、ライバル芸者銀子の榊原郁恵。東北弁がチャーミングだし、金にがめつい強かな女を好演。
柴田理恵、青木さやか、しずちゃんといった面々がいい味出しているが、ちょっと笑いに走りすぎな気も。湖月わたるは赤いドレスがセクシーで、明るくサバサバとしたキャラクターがあっている。着物姿は腰高すぎ。
的場浩司はちょっと気弱すぎで、夢子がなぜ惹かれるのかわからない。詩をたしなむ繊細さを表現したかったのか?
意外だったのは、ライバル芸者銀子の榊原郁恵。東北弁がチャーミングだし、金にがめつい強かな女を好演。
柴田理恵、青木さやか、しずちゃんといった面々がいい味出しているが、ちょっと笑いに走りすぎな気も。湖月わたるは赤いドレスがセクシーで、明るくサバサバとしたキャラクターがあっている。着物姿は腰高すぎ。
的場浩司はちょっと気弱すぎで、夢子がなぜ惹かれるのかわからない。詩をたしなむ繊細さを表現したかったのか?
0331 KYOTO STEAM 伝統芸能×新技術 能楽「大会」~天狗の恩がえし~
能の「大会」をバーチャルなイラストと組み合わせた映像で表現するという演出。生で能を演じている舞台の両サイドに大型モニターがあって、合成した映像を流す。菩薩が登場するところで蓮の花が散りばめられたり、炎や天狗の群れなどの映像が加えられて情景を分かりやすくしているというのだが、字幕スーパーのようで煩い。普段は立ち入ることのできない、二条城の二の丸御殿台所が舞台というのはお得感があるので、普通に演能するだけでよかったと思う。
0330 イーハトーボの劇列車
宮沢賢治の4回の上京を通して半生を描く。松田龍平の賢治は飄々とした雰囲気が独特で、現実と異世界が交錯するような作品世界に合っていた。ぼそぼそとしゃべるのかと思っていたら、歌唱は力強く、意外な感じ。休憩挟んで3時間半は長かった。
3月30日 桂文我独演会「東の旅通し口演」
「東の旅」の前半を一気に上演するという。休憩を挟むものの、5時間半近く。なかなかの苦行だった。
聞くと、「東の旅」という続き物として作られたわけではなく、伊勢参りの道中にはまる噺を集めたものらしい。道理で、喜六と清八がほとんど出てこない噺もあるわけだ。 「東の旅発端」を月亭秀都。緊張していたのか、間違えて同じセリフを繰り返していたような。見台を打つ音がやかましく、声が良く聞こえない。後で文我が話したところによると、小拍子や張扇をリズミカルに打って噺のテンポを掴んだり、発声を訓練したりするそうだ。
桂文我「奈良名所」は奈良の名所を羅列したような噺。森乃石松「野辺」(記憶にない…)、桂福丸「煮売屋」、月亭文都「七度狐」、桂文三「軽業」、桂文我「軽業講釈」は露店で軽業屋の隣になってしまった講釈師があまりうるさくしないよう軽業師に抗議して…という噺。文我は実際に東の旅の道中を歩いて旅した経験を交えて、噺にリアリティを加える。他の出演者は時間の制約があるのか、マクラなしで慌ただしかった。
仲入りを挟んで、桂宗助「うんつく酒」、桂米平「常大夫儀大夫」、桂文我「鯉津栄之助」と続く。このあたりに来ると、キャリアのある噺家なので聞きごたえがある。「うんつく酒」は田舎者に「どんつくめ」と言ったのを聞きとがめられた清八と喜六が適当なことを言って酒席にありつく。常大夫、義大夫は浄瑠璃語りの振りをした2人のドタバタ。「鯉津栄之助」はお殿様の名前で、「こいつはいい」と言ってはいけない集落。
再度の仲入り後は林家染吉「三人旅」、笑福亭生喬「浮かれの尼買い」、桂文我「宮巡り」。
冒頭と仲入りのあとは、伊勢神宮のおかげ茶屋の人とのトークを挟んで、ちょっと気分転換。だがそのせいで長くなった面もあり、痛しかゆしというか。
聞くと、「東の旅」という続き物として作られたわけではなく、伊勢参りの道中にはまる噺を集めたものらしい。道理で、喜六と清八がほとんど出てこない噺もあるわけだ。 「東の旅発端」を月亭秀都。緊張していたのか、間違えて同じセリフを繰り返していたような。見台を打つ音がやかましく、声が良く聞こえない。後で文我が話したところによると、小拍子や張扇をリズミカルに打って噺のテンポを掴んだり、発声を訓練したりするそうだ。
桂文我「奈良名所」は奈良の名所を羅列したような噺。森乃石松「野辺」(記憶にない…)、桂福丸「煮売屋」、月亭文都「七度狐」、桂文三「軽業」、桂文我「軽業講釈」は露店で軽業屋の隣になってしまった講釈師があまりうるさくしないよう軽業師に抗議して…という噺。文我は実際に東の旅の道中を歩いて旅した経験を交えて、噺にリアリティを加える。他の出演者は時間の制約があるのか、マクラなしで慌ただしかった。
仲入りを挟んで、桂宗助「うんつく酒」、桂米平「常大夫儀大夫」、桂文我「鯉津栄之助」と続く。このあたりに来ると、キャリアのある噺家なので聞きごたえがある。「うんつく酒」は田舎者に「どんつくめ」と言ったのを聞きとがめられた清八と喜六が適当なことを言って酒席にありつく。常大夫、義大夫は浄瑠璃語りの振りをした2人のドタバタ。「鯉津栄之助」はお殿様の名前で、「こいつはいい」と言ってはいけない集落。
再度の仲入り後は林家染吉「三人旅」、笑福亭生喬「浮かれの尼買い」、桂文我「宮巡り」。
冒頭と仲入りのあとは、伊勢神宮のおかげ茶屋の人とのトークを挟んで、ちょっと気分転換。だがそのせいで長くなった面もあり、痛しかゆしというか。
3月29日 霜乃会旗揚げ公演
幕開きは旭堂南龍の「霜乃会結成秘話」。桂春蝶、林本大との飲み会がきっかけで結成されたそうで、飲み会では下ネタばかりになるところから、下の会→霜乃会とか。笑いのセンスが合わないのかあまり笑えなかった。ちゃんとした講談を聞きたかった。
真山隼人の「円山応挙の幽霊図」。正統派の浪曲をきっちりと。見た目は老けているけれど、若々しい好演。
桂紋四郎「くっしゃみ講釈」。師匠ににてなんだか品のない話しぶり。
林本大、今村哲郎による仕舞「敦盛」「井筒」「土蜘蛛」。年の功かいちばんしっかりしたものを見せてくれた。けど、土蜘蛛の糸を撒くってのは飛び道具だよなあとも思った。
中入りを挟んで、茶道家の松井宗豊のお点前をいただきながらのフリートーク。特に打ち合わせもなかったようで、グダグダな展開。会の先行きを暗示しているような。
真山隼人の「円山応挙の幽霊図」。正統派の浪曲をきっちりと。見た目は老けているけれど、若々しい好演。
桂紋四郎「くっしゃみ講釈」。師匠ににてなんだか品のない話しぶり。
林本大、今村哲郎による仕舞「敦盛」「井筒」「土蜘蛛」。年の功かいちばんしっかりしたものを見せてくれた。けど、土蜘蛛の糸を撒くってのは飛び道具だよなあとも思った。
中入りを挟んで、茶道家の松井宗豊のお点前をいただきながらのフリートーク。特に打ち合わせもなかったようで、グダグダな展開。会の先行きを暗示しているような。
3月28日 素謡の会 うたいろあわせ 第3回
地点と素謡の共演。田茂井廣道の簡単なレクチャーのあと、「車僧」を浦田保親、大江信之、深野貴彦と。素謡は初めてだが、正座したまま、それぞれの役の詞章を語る。ワキの役もシテの役者が演じるようだ。
地点はヨン・フォッセの「だれか、来る」の一部を。舞台上をふらふらと動きながら役者がセリフを語る。脚本では男と女の2人しか登場人物はいないが、7人ほどの役者が役柄を入れ替えたりしながら、渡り台詞のようにセリフを述べる。イレギュラーなところで抑揚をつけたり、言葉をきったりする地点らしいセリフ回し。手をかざして何かを探るように歩く動きに能の影響が見えた。
後半は能役者が地点の脚本、地点の役者が能の演目を交換して演じる趣向。即興で役割を決めたらしい能役者は、それでもきっちり形に収める。地点は小刻みにジャンプしながら、地点節でセリフを語る。それぞれの特徴が見えて面白かった。
地点はヨン・フォッセの「だれか、来る」の一部を。舞台上をふらふらと動きながら役者がセリフを語る。脚本では男と女の2人しか登場人物はいないが、7人ほどの役者が役柄を入れ替えたりしながら、渡り台詞のようにセリフを述べる。イレギュラーなところで抑揚をつけたり、言葉をきったりする地点らしいセリフ回し。手をかざして何かを探るように歩く動きに能の影響が見えた。
後半は能役者が地点の脚本、地点の役者が能の演目を交換して演じる趣向。即興で役割を決めたらしい能役者は、それでもきっちり形に収める。地点は小刻みにジャンプしながら、地点節でセリフを語る。それぞれの特徴が見えて面白かった。
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