2018年3月8日木曜日

3月7日 三月大歌舞伎 夜の部

「於染久松色読販」
玉三郎の土手のお六に仁左衛門の喜兵衛で面白くないはずがない。息のあった様子で、時折笑いをこらえている玉三郎。1時間にも満たないのは物足りない。仁左衛門の悪役は凄みがあって格好いい。玉三郎の悪婆は魅力的だが、ちょっと老けて見えた。丁稚の吉太郎が美味しい役をよく勤めた。

「神田祭」
前幕と打って変わって華やかな一幕。見つめあったり寄り添ったりする仁左衛門・玉三郎のコンビおお似合いぶりを見せつけられるよう。

「滝の白糸」
壱太郎が大役に初挑戦で、2時間あまりを大健闘。台詞回しに玉三郎の面影を色濃く感じ、まだ自分のものになっていないようにも。セリフがリアルすぎるのか、もっと夢見ごごちに陶酔させてくれないとしんどい芝居だなと思った。
1幕の馬車と車の競争シーンがセリフでの説明になってしまうのは仕方ないとして、欣也が全く出てこないのはどうだろう。白糸が焦がれる気持ちに共感しにくいと思うのだが。
そしてやはり最後に納得できず、モヤモヤする。欣也に最後に送った100円は何のため?すでに検事代理になって金沢に赴任することが決まっていたのなら、収入は保証されていたのでは?そして、それほどの恩人を追い詰める欣也の、融通のきかない正義感って何だ?っていうか、関係者と分かった時点で担当を降りるべきだろう。
南京の彦三郎は憎たらしい敵役ぶり。米吉の桔梗が健気。春平の歌六はセリフご怪しいところがあってハラハラしたが、説得力あり。吉弥のおえつは出番は少なかったが、印象を残した。

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