2018年3月22日木曜日

0321 こまつ座&世田谷パブリックシアター「シャンハイムーン」

休憩を挟んで3時間の長舞台。照明の具合かセリフの心地よさか、体調がすぐれなかったせいもあって冒頭の30分ほどは瞼が開けていられなかった。 国民党の弾圧から逃れる魯迅(野村萬斎)と第二婦人の広平(広末涼子)をかくまう日本人の書店店主夫婦や医師らとの交流を描く。様々な病をかかえているのに頑なに治療を拒む魯迅と医師らのやり取り、人物錯誤症や失語症になった魯迅の言動など、笑いを誘うシーンも多いのだが、全体的に抑えた芝居で淡々と進む印象。萬斎は病身の表現のためか抑制された演技で物足りない気も。広末は澄んだ声が舞台に映えるが、少女っぽい仕草や表情がちぐはぐに感じた。書店主の辻萬長、その妻、鷲尾真知子、医師の山崎一と、達者な脇役陣は過不足ないパズルのピースのよう。歯科医の土屋佑壱が血気にはやる様子でアクセントになっていた。最後、フライング気味に拍手をする人がいて、芝居の余韻がなくなってしまったのがちと残念。

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