2018年2月5日月曜日

0201 黒蜥蜴

中谷美紀の黒蜥蜴は美しく、セリフもはじめは無理をして老けた喋り方をしているように感じたが、芝居が進むにつれて説得力が増してきた。2幕の明智への恋心を吐露するところが官能的で。井上芳雄の明智は優等生すぎてちょっと物足りなかったが、黒蜥蜴とのやり取りはスリリング。これまで見た黒蜥蜴のなかで、最も恋愛劇の要素が強かったように感じた。早苗役の相楽樹がお嬢様らしく、役に合っていた。雨宮役の成河は美青年らしくはないのだが、終盤の狂気の演技に迫力があった。スタイリッシュな舞台装置、衣装にルヴォーのセンスが光る。恐怖美術館は薄い布越しに裸の像が透けて見える演出。生々しくて滑稽になってしまいがちな場面を品よく表現していた。

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