2017年8月30日水曜日

8月20日 内子座文楽

亘の解説に続き、呂太夫襲名の口上から。床に和生、清介、呂太夫、呂勢と並ぶ。呂勢の進行は5月の国立劇場とほぼ同じ。「若太夫に繋がる嶋太夫の名前を捨てて…」のくだりがなかったのはなんでだろう。清介は「芸は所詮人間性。その点新呂太夫は懐が深く情のある温かい人柄。奥行き、情のある、大輪の花を咲かせてほしい」と卒なくまとめると、和生は「新呂太夫とは同じ日に文楽協会に挨拶に行った同期で、朝日座の踊り場ですれ違って挨拶したのが初対面。呂は水掛不動さんの前だったと言うが、そんな映画みたいなシチュエーションじゃなかった。50という年月はかくも記憶を曖昧にする」と。文字にすると面白くもないが、和生の朴訥とした話ぶりだと大爆笑。あったかい襲名披露だった。 続いて本編の「蘆屋道満大内鏡」。 「葛の葉の段」は睦・清丈、呂・清介。睦は相変わらず声が掠れて辛そう。呂は手堅くまとめた印象。人気は和生の葛の葉がしっとりとして、動物の身であることを隠そうとする奥ゆかしさ、ふと露見してしまう獣らしさがいい。童子の勘次郎もよかった。 「乱菊の乱れ」は呂勢、希、亘に宗介、寛太郎、清公、清允。蠟燭(内子の和ろうそくだそう)の差し出しで花道から登場。幻想的な雰囲気。

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