2017年8月17日木曜日

8月14日 八月納涼歌舞伎 第三部 「野田版 桜の森の満開の下」

美しかったし面白かったけど、歌舞伎かと言われるとそうではないような。歌舞伎役者が演じることで芝居の深みや密度は増していたように思うけど。 満開の桜の下に散在する鬼の屍が乱れ舞う印象的な幕開き。耳男の勘九郎は父勘三郎を思わせる熱演。スピード感のあるセリフと動きで終始引っ張る。夜長姫の七之助はメイクがのっぺりしていて(多分アイメイクが控えめすぎなせい)もっと美しくできるのにと思ってしまった。セリフは初演の毬谷裕子の影が見え隠れ。演じてる感が出てしまったのがもったいない。もっと歌舞伎っぽくというか、七之助の調子のほうがいいように感じた。クライマックスの殺しでの海老ぞりはたっぷりで壮絶に美しかった。 オオアマの染五郎はハマリ役。ちょっと悪い役がこんなに似合うとは。 何より観ててたのしかったのは、マナコの猿弥。笑いどころを押さえ、美味しいところを持っていく。タバコをふかしながらのモノマネは渡部篤郎?あと、エナコの芝のぶが悪婆というか蓮っ葉な女が意外にはまってた。

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