2019年9月28日土曜日

9月28日 NHK古典芸能鑑賞会

箏曲「越天楽変奏曲」
牧瀬裕理子の独奏と箏の合奏、尺八、笙、フルートや太鼓などのアンサンブル。琴は十七絃を合わせると20人超いたのだが、その迫力が感じられず。

舞踊「四季三葉草」
花柳壽應の翁、孫の壽輔が三番叟、ツルが千歳。壽應は足取りがおぼつかなく、孫2人は未熟に見えた。壽輔は足踏み、鈴のリズムが心地よくなかった。

狂言「髭櫓」
山本東次郎のシテ、則孝の妻、凛太郎の告げ手。つい先日、茂山千五郎家のを見たばかりなので、同じ大蔵流でも随分と違うものだなぁと。東次郎家はセリフが総じて能っぽい。ワキのような感じで、フレーズの終わりが高くなる話し方で、形式的というか、やや単調に感じる。妻が仲間と共に反撃に出るところは、武器を携帯するだけでなく、陣羽織のような袖なしの上着を着用。髭を抜くところでは、仰向けに押さえつけて巨大な毛抜きで挑みかかる。髭を抜かれた夫は隠れるように下手から退散。

歌舞伎「義経千本桜 川連法眼館の場」
文楽座特別出演で、咲太夫・燕三に燕二郎のツレ。歌舞伎は菊之助の忠信、梅枝の静、時蔵の義経。
前半、本物の忠信と義経が引っ込むところまでは通常の歌舞伎と同じ。御簾内で竹本が語る。
館に御簾が下りると、上手から咲、燕三の乗った床が現れ、黒衣が口上。太夫、三味線に続いて、役者の名前も、しかも2回ずつ述べ、「文楽座特別出演」であることもしっかり言及。
咲の語りは、力強さに欠けたが、竹本との違いは明白。全て太夫が語るのかと思ったら、詞は役者が発していたようで、意外と役者の語るところが多かった。床は役者の間に合わせるのでなく、梅枝や時蔵のセリフおわりに被せるように語り出すところも。
忠信が自らの正体を告白するところは菊之助が語ったのだが、狐言葉が遠慮ぎみというか、咲に教わった通りにやっているのか、あまり声を尻上がりにしなかったり、語尾を早口にしていなかった。言い出しに「コッ」というような音を入れていたのは、狐の鳴き声なのか?咲も度々入れていたが、素浄瑠璃の時にはなかったような。
菊之助の狐忠信は、階段から出てくるところこそもたついたが、他はスピード感があり、軽々と動いて心地よい。鼓を慕う様子が愛らしかった。


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