「寺子屋」
寺入りはなしで、手習いする子らが並ぶ幕開き。涎くりは鷹之資。若いから仕方ないが、もう少し面白みがほしい。丑之助の菅秀才は鷹揚な高貴さがあるが、セリフが不安なのかだんだん声が小さくなる。
幸四郎が源蔵。登場から重々しさがあり、深刻な様子。児太郎の戸波は若いながら健闘。吉右衛門の松王はやはり猫背気味に見え、作病の咳払いが重病人のよう。菊之助の千代は落ち着いた美しさ。源蔵との立回りでは、道具箱をらひっくり返して中身が落ちるのではなく、蓋で刀を受けて、改めて箱の中から経帷子、旗を取り出す手順だった。
「勧進帳」
仁左衛門の弁慶に幸四郎の冨樫。
仁左衛門は言うまでもなく、気持ちのこもった熱演。勧進帳読み上げ、山伏問答の緊迫感、酒席はおどけ過ぎないのもいい。最後の花道での飛び六方の前は、息を整えていた様子で、六方はやや短め?だが、気迫の伝わる一幕だった。
幸四郎の富樫は、仁左衛門に対峙して力の入った演技。孝太郎の義経、千之助が駿河次郎と三世代共演も嬉しい。千之助は片岡八郎の萬太郎と並んでも小柄ながら、凛々しさがあった。
「松浦の太鼓」
季節外れの忠臣蔵外伝は三世中村歌六追善。米吉のお縫が可憐。
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