2019年9月28日土曜日

0928 阿佐ヶ谷スパイダース「桜姫」

設定やストーリー展開はいろいろ違っているのだが、鶴屋南北の世界を余すことなく描いた。
時代設定を戦後間もない混乱期にし、混沌とした空気が漂う。清玄はかつて、少年白菊との心中をし損ね、戦後は罪滅ぼしのため、恵まれない子供たちの慈善事業に勤しみ、聖人と崇められている。桜姫は吉田という名で、孤児院?育ちだが、元は高貴な家の出だと。金持ちに見初められて結婚するところで、人を刺して逃げてきた権助に押入られ、一目惚れする。折り目正しい言葉遣いの藤間爽子が、無邪気で冷酷な桜姫を好演。三国に犯されそうになるところで、はじめは抵抗しているのに、いざ組み伏せられたら恍惚の表情。権助のときは、はじめから惹かれているようだったが。
舞台上の穴を利用して、ふっと姿を消したり、現れたり。血みどろになったり、醜い痣ができたりと、グロテスクな描写がおどろおどろしく、怪談のような不気味さ。
他の人には聞こえない音楽隊に導かれる桜姫。清玄、権助、白菊が入り混じり、錯綜するラスト。入江に銃殺されるのかと思いきや、全員で花火を見上げるラスト。
休憩挟んで2次会45分が短く感じた。

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