2019年7月24日水曜日

7月22日 夏休み文楽特別公演 第2部

「仮名手本忠臣蔵」の五段目から七段目。都合で「身売りの段」から観劇。 盆が回って咲太夫と燕三が現れると、いつもよりも温かい拍手が。人間国宝認定をうけて祝福ムード。
肝心の語りは、テクニックに裏打ちされた安定感の一方、体力の衰えからか高音部の発声が粘つく。 「勘平腹切」は清治・呂勢。呂勢は調子が悪いのかしきりと鼻をかんでいて、思ったほどではなかったのが残念。勘平の悲哀より、残された与市兵衛女房の哀れさが印象に残った。
人形は和生の勘平が落ち着いた様子。一輔のおかる。 七段目は由良助の呂、おかるの津駒以下、総勢12人の太夫で、2~3人が入れ代わり立ち代わり。三味線も前半の宗助と後半の清友と入れ替わるので、慌ただしい。仲居の亘と碩は簾内から。声に個性が出て面白かった。
藤太夫の平右衛門は下手から「暫く、暫く」と駆け付けるはずが、声が近づいたり遠ざかったりするよう。ちょっと田舎っぽく、シュッとした二枚目ではない。
簑助のおかるは2階にいる間だけで、はしごで下に降りてからは一輔が代役。短い出番ながら、柱にしどけなくもたれかかっているところなど、色気にあふれる。勘十郎の由良助、平右衛門の玉志。

8月4日、5日に再見。
山崎街道出合いの段は小住・勝平。堂々とした語りを大らかな三味線が引き立てる。
二つ玉は靖・錦糸に燕二郎の胡弓。全体的に声が高いように感じた。与市兵衛は婆?という感じだし、斧定九郎は低音のほうが悪人らしい。
身売りは咲・燕三。祝福ムードはすでになく、淡々と。
勘平腹切の呂勢・清治が一番の出来。続けて聞くと物語に入り込めるのと、若手とは違った充実の語り。和生の遣う勘平は下を向いてじっと耐える様子。

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