2019年7月9日火曜日

0705 ディミトリス・パパイオアヌー「THE GREAT TAMER」

断片的なモチーフを繋いだような作品。起伏のある傾斜に艶のない黒い板を並べた舞台。開演前から1人の男が佇み、客席に時折視線を走らせる。
開演のベルが鳴ると、男は靴を脱いで(靴は床に固定されているらしい)、おもむろに服を全て脱ぎ、ひっくり返した板の上に横たわる。まるで日光浴をするように。後方から現れた男が白い布で覆うと、前方から現れた別の男が、横たわる男の隣の板を立て掛け、倒すときに生じる風で白布を吹き飛ばす…というやりとりが何度も繰り返される。
床の穴から全裸の若者が生まれるように現れたり、掘った穴に落ちていなくなったり。全身黒の衣装で、ある人は胴体、ある人は左足といった風に体の一部だけを肌ぬぎにし、複数人でまるで1人の人のように形作るのが面白い。上半身は女の裸、下半身は2人の男が片脚ずつというのもあった。
テンポを変えながら、「美しく青きドナウ」のメロディーが流れる。「未知との遭遇」を思わせる場面も。



0 件のコメント: