2017年12月10日日曜日

1205 「この熱き私の情熱」

「それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌」という長い副題。上下2段、横5つに仕切られた部屋のはそれぞれ趣きが異なり、原作者ネリー・アルカンの7つの側面を表している。6人の女優が別々の部屋にいて、それぞれ交わることはない。ただ一人のダンサーが、時に男装して部屋を行き来する。散文詩のようなセリフは寓意的で、ときにユニゾンで語られ、ときに歌になる。伝わってくるのは、女として生きることの圧倒的な辛さ、困難。彼女は最終的に死を選ぶのだけれど、美しく才能もあったネリーを何がそこまで追い詰めたのかはわからない。ただ、どうしようもない息苦しさを感じた。
背中の大きく開いたドレスを着た松雪泰子が美しく、前半はほとんどセリフがないのだが惹きつけられる。ラスト近くの独白の落ち着いた声もいい。

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