2017年12月15日金曜日

1211 神田松之丞 講談漫遊記vol.1

猫背で下からすくいあげるような視線やねっとりと絡みつくような語り口が不快感と紙一重。でもすごく聞かせる。 満席の観客の半分ほどは初めて松之丞を見るという人だったせいか、少々やりにくそう。中入り前は2演目の予定を短めの話3つに変更していた。 「山田真龍軒」は宮本武蔵の戦いぶりが活劇風。ちょくちょく笑いを挟みつつ。大阪にゆかりの「違袖の音吉」は少年音吉が嫌みなガキ。「扇の的」は短かったが、本格的な古典を聞かせる。 中入り後は本日メインの「赤穂義士銘々伝〜神崎の詫び証文」。忠臣蔵関連で3本の指に入る講談なのだそうだが、冷静に考えると何というか、しょうもない話だ。酔っ払いに絡まれた侍が我慢したってだけだし。ただし、そんなしょうもない話でグイグイ引き付られた。はじめは探り探りだった客席も、最期にはすっかり掴まれていたようだった。

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