歌舞伎だと5〜6時間かかる長編ドラマをを7人の役者で90分ほどにまとめながら、冒頭の浅草寺の場や夢の場などが入っていて驚く。お梅が伊右衛門を見初める浅草寺はともかく、夢の場は不要では?
舞台上に碁盤の目のように黒い線が張られ、場面の変化が分かりやすくなった。線はゴム状に伸びるので、後半、幽霊となった岩が枠を潜って移動し、この世のものならぬ様子を表すのも効果的だった。白い衣装や床など映像を投影して、役や場面を示す。登場人物が多いのを観客に分かりやすくする工夫だが、自ら名乗る人人名前を投影する必要はないのでは。また、前回も思ったが、岩の顔が崩れるのが不鮮明な映像では分かりにくく、怖さが薄い。
伊右衛門が武士に返り咲いて出世に執着する男で、岩がそれを打ち砕く存在。伊右衛門自身も、出世のために面相が変わっている。現世での出世に囚われる愚かさ?
男ばかりの鼠版は、髭面の役者が娘役だったりするのだが、不思議と違和感はない。伊右衛門と岩だけが白塗りなのは、二人を際立たせるためだろうが、お岩の役者が、与茂七や小平を兼ねるので混乱する。全体的に役の演じ分けが曖昧で、今は何の役だか考えさせられる場面が多かった。女ばかりの猫版は役者が皆達者で、演じ分けが明快。伊右衛門の水谷有希が男前だった。
2017年12月5日火曜日
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