2024年9月13日金曜日

9月13日 Kバレエトーキョー「MARMAIDE」

アンデルセン童話とも、ディズニーアニメとも違う人魚姫。

マーメイド(飯島望未)や海の生き物たちの衣装が素晴らしい。マーメイドラインのスカートの裾が魚のヒレのようで、水中を揺蕩うようにひらひらと揺れる。腕を波のようにユラユラしたり、横たわって足を尾鰭のようにパタパタしたり。飯島の端正な踊りがマーメイドの純真さをよく表す。3人ががりでのリフトで水中を浮遊するのは新国と似てる。カクレクマノミのちょこちょこした可愛らしさ、シャークの迫力。イルカははじめ、スイミーのような小魚かと思ったが、群舞は美しかった。
陸上の場面では、クラシックバレエの手法にそったキャラクター、振付で、グランドバレエの楽しさは十分。プリンセスの日高世菜が圧倒的な美しさ。
劇作としては、王子の心を得られない人魚姫が王子を刺し殺せば助かると言われて苦悩し、ラスト、王子を殺められず、剣を残して立ち去るところまでの感情の動きは胸を打った。ただ、海に飛び込むなり、消えてしまうという描写がないのは物足りなく感じた。

うーん、と思ったのは、冒頭の酒場の場面。なぜ酒場? 王子がお忍びで訪れる必然性が感じられないし、娼婦の役は必要か? 踊りを見る物乞いも、踊りしては面白いがこの役である必要はないのでは。普通に宮殿とかで、道化役とかでいいのでは? というか、王子が王子らしい場面が2幕の結婚式までないので、王子としての魅力が感じられず、人魚姫が一目惚れする理由がよく分からない。 この日の王子は山本雅也だったが、王子の友人堀内将平、栗山廉は別日の王子役なので、山本が際立って見えなかったのも一因か。
プリンセスも、はじめ、修道女の姿で出てくるのが不明。打ち上げられた王子を見つけても無関心だったのが、剣のつかの紋章を見て態度を変える描写も。プリンセスをことさら計算高い人物像として描くのはなぜだろう。






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