耳無し芳一をベースにした書き下ろし。語りは芳穂と金子あいが、代わる代わる、時にユニゾンで表現。現代語の語りと義太夫節のパートが交錯し、自然と物語に引き込まれた。驚いたのは三味線で、琵琶駒を使って琵琶のビョンビョン(芳穂はニョインニョインと言っていた)とした音色を表現したり、クラシックギターのハーモニクスやフラメンコギターの12拍子といった技法を応用したりと、多彩な表現で情景を描写。映画の効果音のように場面を盛り上げた。約1時間の作品ながら、聞き応えあり。小泉八雲の物語にはない玉虫という女官を取り入れたことで、人物の語りわけに幅ができたように思った。
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