2023年9月28日木曜日

9月28日 フェニーチェ文楽

 花岡京子氏を聞き手に大道具の解説の後、ワカテ鼎談は靖、寛太郎、簑紫郎。 
せっかく若手に聞く企画なのに、聞き手のせいか面白くない。新口村のしどころ、難しさなど聞いても真面目な答えばかり。こういう機会なのだからもっと砕けた話でもいいと思う。
靖は、新口の奥は地味だが、梅川のクドキなど華やかななところもあり、対比をしっかり語りたいと。息を引くところが大事で、次に語るところを考えて準備するよう、師匠から言われたとか。孫右衛門の心境の変化をどう表現するか。緩急をつけるためには、「捨てる」ことも必要。 寛太郎は、時代ものと違って、若手が頑張って弾いているではカタチにならない世話物の難しさ。弾いていないところをどう表現するか。 簑紫郎は、人形もじっとしているところが難しい。梅川は少し斜にかまえるなど工夫している。 最近は若手公演でも主役を後輩に譲って老け役に回ることが多く、今日も孫右衛門。老け役はやってみると面白いのだそう。

「傾城恋飛脚」 新口村の段

前を碩・燕二郎。
客席から声が掛かるも、半テンポ遅い。少しやりにくいかと思ったが表情は変わってなかった。碩は素直な発声が耳によく、燕二郎は難しい手に懸命にくらいついている感じで、珍しく厳しい表情。

奥は靖・寛太郎。
語りの世界に没入するには至らないものの、新口村の世界観をしっかり描出。靖の持ち味のせいか、流麗というよりは少し無骨な感じがした。

人形は、勘次郎の忠兵衛、簑悠の梅川。簑悠は大分背伸びした役ながら、精一杯の演技。梅川の嫋やかさや憂いが表現されていて、教えられたことをきちんと再現しているのだなと感じた。人形の構え方のせいか、首が胴体に埋もれたように見えてしまったのが惜しい。

勘昇の忠三女房、簑紫郎の孫右衛門。


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